4月30日から中国は3連休
日本の観光には打撃!?

 熊本県上海事務所にも1日に何十軒もの「義援金を送りたい」という電話がかかってきているというから驚きだ。中国のSNS上では、中国を代表する動物、パンダがくまモンに手を差し伸べている写真が大量に出回り、応援の気持ちを表現している。

 これらの理由もあって、遠い日本の震災に心を痛めている中国人がけっこう多いのだ。だが、爆買いなどの面でいえば、今回の地震で訪日を躊躇する中国人も多いのではないだろうか?

 奇しくも中国は4月30日から3日間の労働節休暇となる。日本よりも連休が少ない中国では、この時期に海外旅行に出かけるという人も多い。インバウンドを推進する日本としては打撃が大きいが、どうなのだろうか。

 九州の玄関口・福岡にある旅行会社、日本旅行によると「団体ツアーはほぼキャンセルとなりました」という。中国からの九州ツアーは、福岡を起点に、阿蘇や熊本城、長崎などを周遊するコースが多く、危険が伴うからだ。

 だが、半年以上前に予約を申し込む大型クルーズ船の場合は「通常通り、入港している」(福岡市港湾局)とのことで、熊本や大分まで足を伸ばさないコースの場合は、問題なく運行されているようだ。クルーズ船の場合は宿泊を伴わず、数時間だけの滞在であることも、影響を小さくしているだろう。

 個人旅行に関しては把握することが難しいが、上海の友人の友人は、九州旅行を計画していたけれど「赤ちゃん連れなので、仕方なく断念した」と話していた。私の知り合いで、たまたまこの時期に九州旅行を計画している人はいなかったが、東京や大阪などへの個人旅行をするという人は何人かいて、話を聞いてみると「予定を変更することはない。むしろ、日本に旅行に行って、こんなときだからこそ日本を応援したい」と話していた。

 中国のSNSでは日本情報が急激に増えているが、その付随として日本の地理や地方の情報も充実していることから、自分たちで旅行すべきかどうかを判断できるようになった、という要素も大きい。

 むろん、すべての中国人が熊本を支援しているという極論を書くつもりはない。

中には地震発生を喜ぶ投稿も
どんなときでも不満を書き込む人はいる

 中には中国版2ちゃんねるのような場で、地震発生を喜んでいる書き込みもあったことは確かだ。だが、上海の友人は「大多数の中国人が今回の地震に胸を痛めている。とくに上海などの場合、日本に友人や親戚が多く住んでいて、他人事ではないという思いも強いですから。ネット上の悪口は日頃の不満のはけ口であって、日本とはまったく関係がない。いつも、どんなときでも、不満を書き込む人はいるものです」と話してくれた。

 震災は非常に残念な出来事だが、思いがけず、人の温かさや本心に触れることができる機会でもある。冒頭の女性の元には、今も、中国の友人たちからの送金が続いているという。日頃何気なく見ているSNSだが、こんなにいい効能もあるのか、と私自身の心も温まった。