来年4月、傘下の三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンの化学系3社を統合する三菱ケミカルホールディングス。その狙いとは何か。
──傘下の化学系3社を統合し、事業ユニットをくくり直そうと決めたのはなぜですか。
やっぱり今までね、炭素繊維事業などを手掛ける三菱レイヨンや産業ガス大手の大陽日酸をグループ化したりして、成長してきたじゃないですか。これで規模はしっかり大きくなったし、それに安定性も出た。
化学事業っていうのはどうしてもフラクチュエーション(変動)しやすいんですが、例えば機能商品の中の機能材フィルムなどは非常に安定して伸びてきてる。医薬品事業も業績が振れるとはいえ伸びていってますし、産業ガス事業も非常に安定しています。
ただ収益率がね、悪いと。これは規模を拡大してきてるのと、石油化学(汎用化学)事業の構造改革を最優先でやってきているからです。これまでもカプセルメーカーのクオリカプスや、炭素繊維に関連した自動車部品の製造会社を買収したりして、収益力やソリューション提供力を伸ばしてきたというのは事実です。でも、ここでもっと抜本的に収益率を高めたいという大きな思いがある。ROEでまず8%は超えないと。