【ルール3】
作業時間を区切り、「終わらせ方」を常に意識する

 色分けして計画を立てることには、仕事をある程度のかたまりに細分化して、やるべきことを明確にしておく意味もあります。

 多くの人は仕事を大きなかたまりで捉えています。しかし、それでは作業時間がまったく読めません。端からやっていくと別のやるべきことが発生し、またそちらに囚われてしまい……と、結局、時間が足りなくなり、中途半端に終わってしまいます。

 一日に行う仕事がたった一つだけという人はいないでしょう。多くの人は複雑に絡み合った複数の仕事を同時に抱え、ある程度の期間の中で行っています。タスクの細分化は、一つの作業にどのくらいの時間がかかるかを把握し、実行しやすくするのです。細分化したタスクに計画した時間を振り分けていないと、一つの仕事に必要以上の時間を取られてしまいます。

 さらに、細かく分けた仕事を予定通り行うためには、一つ一つの作業に30分とか60分などのデッドラインを設定しておく必要があります。タイマーで作業時間を計るなどして、常にタイムリミットを意識した仕事のやり方を心がけることが求められます。

 ただし、これは何でもかんでも仕事を細切れにして、時間に追われながら行うということでは決してありません。仕事には「マルチタスク」で短時間に行うものもあれば、「シングルタスク」でじっくりと時間をかけて行うものもあります。まとまった時間を計画的に確保するためにも、色分けして、タスクの細分化を行い、時間を計りながら行う必要があるのです。

 また、立てた予定が狂う原因には、見積もった時間内に終わらないため、もう少しだけやろうとか、区切りが悪いのであとちょっと続けよう、と感じる心理的抵抗があります。完璧主義の人ほど、その傾向があるかもしれません。

 そのときに大切なのが、作業の「終わらせ方」です。計画した時間割を狂わせずに、同時に仕事のパフォーマンスも落とさずに進めるためには、「終わらせる時間」を決めて守ることがカギになるのです。

 もちろん、単に終わらせるだけでは問題は解決していませんので、再びやるべきタスクを“ならして”計画に落とし込むことが必要です。そのリスケ法やタスクの振り分け方なども、書籍『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』では詳しく解説していきます。

【ルール4】
自分にとって本当に重要なことを
優先できるように「時間配分」を変える

 これまで述べてきたように、40代の時間術において最も重要なのは、他人に振り回されながら自然とでき上がった時間割を、自分の価値観や本当に望む人生に沿った時間割につくり変えることです。

 時は金なりと言われますが、時間はお金を超えた究極の「人生資源」だとさえいえます。それも、お金のように増やすことができず、全体でどのくらい持っているのかさえわからない、実にやっかいな資源なのです。もしかしたら明日、その資源が突然枯渇する可能性だってあります。

 だからこそ、限りある資源を何にどう配分するかを真剣に考えなくてはいけません。でも、本来ならお金と同じように、ポートフォリオを組んで配分するようなものであるにもかかわらず、やっている人はほとんどいないでしょう。結果、自分にとってはどうでもいいことに、人生で最も貴重な資源を配分しているのです。

 そうならないためには、思い切って配分を変え、新しい時間割をつくり出すことです。正解は一つではなく十人十色なので、自分なりの納得解をどう考えるかになります。

 このことは、仕事の進め方においても同じことがいえます。忙しい40代にとっては、限られた時間という資源を何にどれだけ配分すれば、よりリターン(成果)を得られるのかを、どの年代よりも考え抜かないといけません。成果につながる要因を見極め、そこに大胆に時間を集中投下するのです。

 そのためには、仕事で成果を生み出すための本質がわかっていなければいけません。あらゆることに均一に労力をかけられるほど、40代の時間資源は潤沢にはないのです。