ただし、企業内にも、三田会(慶應大)とか如水会(一橋大)といった、卒業学校単位の親睦会を作ってOB同士が卒業年次を超えて寄り集まるのは、いかがなものだろうか。

 実は、筆者は、先日の日本金融学会のパネルディスカッションで、「慶應大学以外の私立大学を卒業してメガバンクに入っても、幸せになれるとは思えないので、他大学の学生にはメガバンクへの就職は勧めない」と思わず本音(失言であるが)を述べてしまったのだが、例えば、三菱東京UFJ銀行には、同行内に会員数1000人を数える三田会が存在し、例えば同行の執行役員51名中、慶應大学出身者が14名もいるという(早稲田出身者は1名)。

 こうした結果は、たまたまであって、卒業大学は一切関係ない(「銀行」の場合、想像しにくいが)、ということなのかもしれないが、他大学の出身者は、自行内の慶應大学出身者が三田会等の会合で親しく集まり、世代を超えた情報交換などをしているらしい様子に対して、心穏やかでは居られないのではないだろうか。

 例えば、地方の国立大学の成績優秀者などは、慶應大学の卒業生と比べても、十分に優秀だと思うが、東京本社の企業の多くにあって、彼らには三田会のような社内ネットワークはない。

 三田会に限らず、企業内で学閥親睦会を立ち上げておられる方々は、例えば弱小勢力大学出身者の心情を慮って、社内での学閥活動を自粛するくらいのことを考えるのが、見識というものではないだろうか。もちろん、全社内における公平性と、会社としての結束を図るために、企業の経営者も、自社内における学閥活動の自粛を実現することが、適切な振る舞いではないだろうか。それは、例えば、その経営者自らが、三田会の評議委員であるとしても、そうすべきもののように思われる。