外装は布。3~5年で「着せ替える」イメージ
帝人フロンティアのカタログと、「rimOnO プロトタイプ01」に使用した布地のサンプル Photo by Kenji Momota

 車両の見た目の特徴は、カフェなどの日よけ・雨よけの幌で使用する帝人製の布を使っている1点に集約されている。だが、EVのキモであるモーターやリチウムイオン二次電池の購入先が未確定。また、資金についてもクラウドファンディングなどでこれから集めるといった、「不明瞭な部分」が極めて多い。

 そのうえで、プレゼンではビジネスモデルとして、(1)ファブレスメーカー、(2)ものづくり企業とのコラボ、(3)サービス企業とのコラボの3点を上げている。

 

 この内容を見て、慶応大学の学内ベンチャーだった「SIMドライブ」を連想したメディアは、プレゼン会場で筆者ひとりだけではなかった。同社は「慶応」というブランドを軸に他業種の数十社が資金提供し、4年間にわたって毎年1度、プロトタイプを発表するファブレスメーカーだった。テレビのニュース番組でも度々、開発部隊の密着取材が放映され「日本の次世代産業の星」としてチヤホヤされた。たが、結局、量産化の目途が立たず、主要なパトロンのベネッセグループ総師・福武總一郎氏が手を引いたことで、あえなく消え去った。

主要な開発パートナー企業である、三井化学のプレゼン資料 Photo by Kenji Momota
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 この「SIMドライブ」と比べると、「rimOnO」が広げた風呂敷はかなり小さい。事業のバックエンドには、個人的なパトロンがいるわけでもなく、企業としても三井化学、帝人フロンティア、ローランド、そして設計とプロトタイプ製作で愛知県名古屋市のドリームスデザインなど、関わっている人たちが皆、「事実上の手弁当」で頑張っている。

 とはいえ、創業者のブランド力、創業者の「夢にかける想い」、ファブレスメーカーで資本・技術・サービスを社外に頼り、利益を分散するという発想などの点で、2者の共通点は多い。

 換言すれば、「rimOnO」が成功するためには、「SIMドライブになるな」ということ。

 伊藤氏におかれては、「SIMドライブ」が辿った道をケーススタディとして今一度、細かく分析してほしい。

サービスモデルを自作せよ

「理想ばかり掲げていても、人は分かってくれない。だから、ハードウエアが必要だった」

 伊藤氏も根津氏も、素直にそう言う。