“天落”奮闘記の第6回からは、超小型の電気自動車というビジネスになぜ筆者が挑戦することにしたのか、そのビジネスを通して何を実現したいと思っているのかについての解説を盛り込んでいきたい。

 その最初となる今回は、「道」と「クルマ」と「街」の関係性について述べたい。

電気自動車には街と生活を変える潜在力がある(写真はイメージ)      Photo:Petair-Fotolia.com

排ガスと騒音が無くなれば
街と生活が大きく変わる

 約10年前に会った電力会社の方の発言がきっかけで、筆者は電気自動車の虜になった。

「電気自動車は、社会に多大な迷惑をかけている排ガスや騒音が出ないという意味で、これまでの自動車にはない素晴らしい価値があります。自動車メーカーの中には、電気自動車はガソリン自動車と比べて航続距離が短いため、欠点のあるクルマと考える人が多いですが、それは間違いだと思います」

 街を走るクルマが電気自動車だけになると、我々が当たり前のように我慢している排ガスの臭いやクルマのエンジン音から解放される。そう考えると、電気自動車にはこれまでのクルマにはない大きな潜在価値があるのだ。

 そして、街から排ガスと騒音がなくなると、「窓を開ける」「外で食事をする」ということが当たり前になっていく。

 今は寒い季節なので考えにくいかもしれないが、季節の良い春や秋の天気の良い日に、外で食事をする、外でミーティングをする、オフィスの窓を開けて仕事をするというライフスタイルが送れるようになれば、毎日が豊かになった気持ちになるのではないだろうか。