ある年は、セミナー終了後、「絶対につぶれない会社を教えてください」という質問を受けました。「営業をやりたくないのですが、どういう企業を選べばいいでしょうか」と聞く学生もいました。いずれも、世の中では上位校と呼ばれる大学での話です。
「何かが間違っている」と感じるのですが、何が間違っていて、どうすればいいのか、にわかに判断がつかない感じがします。
ここにきて文部科学省は、大学に対して「キャリア教育」を積極化させるように働きかけを強めています。今年度は一校当たり年間最大2000万円の予算を与え、「就業力」を強化する政策も打ち出しました。
大学にしても、就職率のアップは果たすべき課題であり、多くがキャリア教育の充実に向かってカリキュラムの整備を進めています。
叶うものなら、それが「エントリーシートの書き方」とか「面接テクニック」の習得といった表層的なスキルにとどまらず、学生が自分のライフプランを少しでも明確化でき、産業構造や個別産業に対する関心を持つことで選択肢を広げるようなプログラムになってほしいと思います。
学生はどんな企業を
理想としているか
就職活動を始める前の大学3年生に「知っている企業の名前を挙げよ」と投げかけると、コマーシャルでおなじみの消費財メーカーを中心に10社程度の名前が挙がります。多くても20社ほど。それが大学生の産業界に対する認知の限界です。
本格的に就職活動を始めると、大学生の情報量は急激に増えます。しかし、その情報はかなり偏りがあるようです。
次のページで、ある企業ランキングを見ていただきます。なんのランキングがわかりますか?