それに、番組を途中から見たら、最初から見たくなるというか、見たものを見たくなる。アニメも途中から見たら、戻って1話から見たいですし。それは、見始めた結果として見たくなるということ。

 だから、AbemaTVとオンデマンドは、相性がいいんじゃないかな。

現場が勝手にやる体制はすばらしい
萎縮した既存のテレビは面白くない

――番組制作では、普通のテレビ局ではできないようなことを目指しているのでしょうか。

 開局から数日後に熊本で地震が起きたんですが、その時は普通にご飯を食べていました。すると突然、AbemaTVのニュース番組が通常の編成から熊本地震の報道に切り替わったんです。

 一応、僕が総合プロデューサーであり、社長なんですけど、何の確認もないんですよ(笑)。現場の判断でバンバン変える。現場の自主性はすばらしい。ありがたいですね。よくわからない指示系統がないんですよ。

 あと、中学2年生が「週刊文春」にインタビューした、という企画があって、「すごいしょうもないことをするところがあるんだな」と思ったら、「うちじゃないか」と(笑)。

 現場が勝手にやっているというのはすばらしいので、今後も変なしがらみを背負わないでできる体制をできるだけ維持したいと思います。

――既存のテレビ局は、放送禁止用語なども含めて、しがらみが多いように感じます。

 僕は、テレビはおかしいくらいいき過ぎていると思うので、そこは無視したい。コンプライアンスというのでがんじがらめになって、萎縮してつくっているテレビ番組は面白くない。

―― 一方で、メディアとしては社会的責任も負っています。

Photo by Hidekazu Izumi

 テレビ放送のように、公共の電波を使っているわけではないんですが、メディアをやる以上、社会的責任は負わないといけないとは思っています。テレビ局との合弁事業でなかったとしても、一定の倫理観を持ってやっていきたい。青少年保護なんかもそうだし、過激にやればいいってものじゃない。

 なので、いき過ぎたコンプライアンスは無視するんですけど、過激にはやらない。最低限のメディアの責任感は持ってやろうと思っています。

>>後編『ネット放送の経験でわかったテレビ局の制作レベルの異常な高さ』を読む