前日の12日、所変わってオハイオ州クリーブランド。トランプ氏の演説会場では、「ISは爆弾で地獄に落ちろ」「ヒラリーは牢獄の中へ」など、物騒な言葉が書かれたバッジが売られていた。
「各国との貿易、労働協定には、みんなもウンザリだろう?」「海外で製造された製品に35%の関税をかけてやる!」。トランプ氏の激しく下品な演説に、聴衆は大盛況。
民主党のバーニー・サンダース候補の支持者が抗議のやじを飛ばすと、トランプ氏は「プロテスター(抗議者)をつまみ出せ!」と叫ぶ。トランプ支持者ともみ合いになり、警察官が仲裁に入った。
「ファンタスティックだった。今まで参加した政治イベントの中で、最高だね」。白人の大工ジョン・フィリップさん(46歳)は演説後、大いに留飲を下げていた。景気が落ち込み、仕事を十分に受注できないのだという。
「トランプは国内に仕事をつくり出す。不法移民を適切に防ぐ姿勢も支持するわ」と話すべルミア・ルーシックさん(37歳)は、セルビアからの合法的な移民だ。合法移民もまた、不法移民に対して「一緒にしないでくれ」といった反感を抱く。米国内の亀裂は、複雑で多岐にわたるのだ。