厳しい経営環境のなか、ウェブサイトを活用し、好調な業績を維持している会社がある。その会社が活用しているのは「Yahoo!リスティング広告」だ。Yahoo!リスティング広告とは、検索連動型広告「スポンサードサーチ」、興味関心連動型広告「インタレストマッチ」の総称。業種も業態も異なる2社の事例から、成功の秘訣を探る。
「ウェブサイトを開設したのにアクセス数が増えない」と悩む企業は多い。東京・合羽橋で調理器具などを販売する藤田道具もその一つだった。
「不景気のあおりを受け、店頭販売は低迷していました。そこで、かき氷機や綿菓子機のネット販売サイトを開設したものの、アクセスはほとんどなく、売れない状態が数ヵ月続きました」と藤田雅博社長は振り返る。
そんな状況があるとき、一変する。サイトへのアクセスが数十倍に増え、注文のメールや電話が殺到して対応できないほどの状況に。結果、売り上げは3倍に増加した。転機となったのは、Yahoo! JAPANが提供するYahoo!リスティング広告の一つ、検索連動型広告「スポンサードサーチ」の導入だ。
スポンサードサーチ導入で
すぐに注文が舞い込んだ
スポンサードサーチとは、Yahoo! JAPANを中心としたさまざまなサイトの検索結果ページに、検索したキーワードと関連性の高い広告を表示するサービス(※1)。たとえばユーザーが「かき氷機」と入力すると、検索結果の目立つ位置に「かき氷機が激安!」といった一文が表示される。そこをクリックすると、広告主のサイトに飛ぶ仕組み。
検索を行うユーザーは、今その情報を探しているためニーズが明確で、購買意欲が高い。そんなユーザーを誘導するため、成約につながりやすいのだ。
藤田社長がスポンサードサーチを知ったのは、Yahoo! JAPANで検索すると「自社のサイトは検索結果にまったく表示されないのに、常に上位に表示されているサイトがある」と気づいたのがきっかけ。さっそく資料を取り寄せた。スポンサードサーチの料金体系は、クリックされたぶんだけ課金される方式で、開始するには最低3,000円から申し込みができる(※2)、と知った藤田社長。「お試しのつもりで」5万円を入金してスタートした。
スポンサードサーチを導入してわずか1時間後には、注文や問い合わせのメールが来た。都内だけでなく、日本各地の町内会や自治会、保育園、はたまた海外の日本人会など、想定外の顧客からも注文が舞い込んだ。その後の結果は冒頭のとおりだ。
今ではスポンサードサーチ経由の顧客が、同社の売り上げの大部分を占める。運用を担当する山岡泰三氏は、「管理画面を随時チェックして、キーワードごとの予算の配分を変えたり、注文が多過ぎるときは広告表示を一時停止したり調整しています」と語る。予算の範囲で広告の掲載順位などを柔軟にコントロールできることもスポンサードサーチの特徴だ。