驚異の粘り腰を見せた舛添氏もようやく東京都知事を辞任しました。もちろん、舛添氏についてそれで一件落着としてはいけません。政治資金の私的流用についての説明責任を果たすよう、メディアは追及を続けるべきです。

 ただ、それだけでは不十分で、もう一つしっかりと糾弾すべき対象があります。それは東京都議会、特に大政党に所属している都議会議員です。その理由として、3つの問題点を指摘できます。

舛添氏の豪華すぎる海外出張を許してきたのは都議会

舛添氏問題に関して、都議会を糾弾すべき3つの理由とは?

 第一は、舛添氏の豪華すぎる海外出張の責任の一端は都議会議員にもあるということです。

 今週に入って、東京都は舛添氏の海外出張経費の内訳を公開しましたが、そこで目に付くのは個別のコストの不可解なまでの高さです。例えば、メディアでも取り上げられているように、2泊3日で北京出張したときの経費を見ると、レンタカー代が207万円、現地案内人代が150万円など、ボラれているとしか思えない異常な金額となっています。

 なぜそのようなことが起きたかといえば、これは舛添氏の責任というより、東京都の事務方の責任です。大臣秘書官時代の経験から、舛添氏は宿泊するホテルを選ぶことはあっても、細かい経費の単価までチェックしたとは到底考えられないからです。

 では、なぜ事務方がそのような無駄を平気でするのかというと、今まで同じことをやってきたからに他なりません。知事外遊予算は例えば2015年度で2億4000万円とかなりの規模ですが、事務方からすれば毎年の外遊予算を削られないように使い切ろうとするはずなので、ボラれても意に介さないでしょう。実際、過去には石原都知事の時代にも同様な豪華すぎる海外出張が何度か問題になっています。

 逆に言えば、過去のそうしたときに都議会がこの問題をしっかりと取り上げて厳しいルールを設定していれば、舛添氏の非常識な海外出張は起きなかったと言えるのです。その意味で、舛添氏の海外出張での非常識な経費については、それをこれまでしっかりと糾弾せずに許容してきた都議会議員にも大きな責任があるのです。