転職の女神には前髪しかない!?

企業は一度内定辞退した人に興味などありません

 長年にわたって人材紹介業に携わっていると、転職はご縁としか言いようのない場面に多々遭遇します。

 以前、30代前半の候補者を担当したときのことです。この方は転職活動を始めると、すぐにポンポンと内定を3つ取ったのですが、残念ながら「どの話もいま一つに思えるので今回は全部見送らせてください」と断り続けました。

 本人は「ちょっと転職活動をしただけでこんなに内定が取れたのだから、もっと良い条件のオファーがもらえるだろう」と考えて内定を辞退したのです。ところがその後はずっと転職活動してもなかなか内定を獲得できず、ついには「先日お断りしたあの会社、もう一度応募してもよいですか」とのご相談がありました。

 しかし企業は一度内定を辞退した人に対して「もう興味ございません」ということがほとんどです。よく「幸運の女神には前髪しかない」と言われますが、まさに前髪をつかみ損ねたケースでした。

 転職活動を半年なり1年なり行っている間にも、こうしたバイオリズムのようなものがあります。基本的に本人の力は変わっていないのに、結果に大きな差が生まれるようなことが起こるのです。いまオファーがいっぱいあるからといって、この先も来年もオファーをいっぱいもらえるとは思わないほうがよいでしょう。