「出戻り転職」を積極的に
受け入れる業界はどこか

出戻り転職をするには、能力だけでなく謙虚な姿勢も大切です

 最近ちらほらと見かけるようになったのが「出戻り転職」です。出戻り転職とは、他の企業へ転職した人が以前勤務していた企業に舞い戻り再入社することを指します。劇的に増えたわけではありませんが、昔はあまりなかった動きです。

 出戻り転職する人を比較的多く見かけるのがコンサルティング業界です。コンサルタントから事業会社の経営企画や事業開発、もしくは情報システム部門に転職し、プロジェクトが一段落ついたところでコンサルティング会社に出戻り転職をするのがよくあるパターンです。

 コンサルティング会社側から見ると、出戻り転職をしてくる人が勤めていた企業はお客様になる可能性が非常に高く、その人がいた業界で築いたネットワークを活用して新たな顧客を開拓していくことも期待できます。こうしたメリットがあるため、コンサルティング会社も出戻り転職を受け入れるのです。

 なかには以前の上司だったコンサルティング会社のパートナーから「次、あの会社でこんなプロジェクトやるから来ないか?」と声をかけられ、「じゃあ行きます!」と出戻り転職していく人もいます。

 ただし、出戻り転職をしてきた人が以前より高次のポジションに就けるかというと、必ずしもそうではありません。前に勤めていたときよりも給料が下がる場合もあります。

 出戻り転職をする個人の事情はさまざまで、「よりエキサイティングな仕事をしたい」といったポジティブな理由の人ばかりではありません。「コンサルタントから事業会社で事業を運営する立場に転身したかったが、そんなに甘くはなかった」「期待していたほど面白くなかった」等々、「転職してみたけれどうまくいかなかった」というネガティブな理由の人たちもいます。