となると、何といっても一番重点的に取り組まなければならないのは、防災だろう。そのためか否かはともかくとして、消火栓の設置は進んでいる。「1km2当たりの基数」では、台東、墨田に続いて第3位だ。

 そんな豊島区の1000世帯当たりの公共賃貸住宅の総数は、下から5番目。公共住宅の供給の遅れが、かつても木賃ベルト地帯を生みだした。「持ち家世帯率」は下から3番目。大部分の世帯が貸家に住む。そして、水洗トイレの装備率は14位、浴室装備率は18位。やはり、木造共同住宅のイメージが残る。

どちらかと言えば若いパワーは少ないが、
池袋駅の人口移動数はものすごい!

 そこに暮らす人々のトレンドはどうだろうか。「婚姻率」が第8位、「離婚率」は第12位。夫の「平均初婚年齢」は高いほうから13位、妻は15位、共に晩婚傾向が強いわけではない。

 それでいて、「出生率」は下から2番目、「死亡率」は第7位、「自然増減率」は下から3番目だ。自然減少が相当大きい。「合計特殊出生率」も20位と低く、子どもはなかなか増えていかない。

 区民の平均年齢は第5位だが、男性だけなら6位、女性だけなら4位となる。どちらかと言えば、高齢の街と言えるだろう。

 区内に大ターミナル駅・池袋を抱えるだけに、人の移動はものすごい。区域が狭いため、鉄道駅の数はさして多いというわけではないのだが、JR、私鉄、地下鉄全ての駅の年間乗車人員は、ベスト5にランクイン。やはり、多くの各線が乗り入れる池袋駅の存在が大きい。この区を貫く東京メトロ・新副都心線の開通も、今後乗車人員をさらに増やしていくことだろう。

 そんな豊島区の1日の人の動きを見よう。豊島区の事業所に勤める人で、豊島区の外から通勤でこの区にやってくる人の割合は、「都内他地域」からの割合で第8位、「他府県」からの割合で第7位となっている。膨大な数の人を呑み込む池袋駅の印象からすれば、区外から通勤してくる人の割合は特別に大きいわけではない。

 では、区内で就業している人が多いのか? 否、この割合では16位と意外に下のほうだ。そもそも、事業所の数が案外少なく、23区中これまた16位である。従業者数にしても、9位に留まる。区外からそれほど膨大な労働力を吸収しているとも言えない。