ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

優秀な新卒の7割は女性?
本気で登用しないと企業は勝てない時代

――IBMが感じた危機感と、女性リーダーたちの声

大河原克行
【第119回】 2016年7月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
3
nextpage

オピニオンリーダーが語る
女性活躍の昔と今

パネルディスカッションの様子

 続いて行われたパネルディスカッションでは、ゴールドマン・サックス証券のキャシー・松井副会長をモデレーターに、G&S Global Advisorsの橘・フクシマ・咲江社長、レンセラー工科大学のシャーリー・アン・ジャクソン学長、ABBのピーター・ヴォザー取締役会会長と、米IBMコーポレーションのジニー・ロメッティ会長兼社長兼CEOが登壇して、日本における女性リーダーのさらなる活躍について意見交換を行った。

 ウーマノミクスを1999年に提唱したことで知られるキャシー・松井副会長は、「日本での女性が活躍する状況は厳しい。第一子をもうけると、6割が辞めてしまうという結果が出ている。これは労働力の確保にとっては重要な課題である。1999年当時、女性が辞めてしまうことは、しかたがないと言われてきた。だが、2013年に安倍首相が、ウーマノミクス(女性の社会進出)が日本の成長の鍵になるとし、成長戦略に位置づけた。女性の労働比率は米国が64%であるのに対して、日本は66%と、昨年はじめて日本が上回った。また、女性活躍推進法により、企業や公的機関は女性の活用を促進する必要がある。これは革命的な話である。女性の活躍の場は着実に前進している」と述べた。

 経済同友会の副代表幹事などを歴任したG&S Global Advisorsの橘・フクシマ・咲江社長は、「社外取締役の女性比率は14%になっているが、執行役員はまだ少ない」、「非製造業では、新卒女性の採用割合が40%以上となった企業が40%を占めた。

育児は手伝いではない

 だが、ある企業では、優秀な新卒を獲得しようとすると、女性が7割に達してしまうので、一部女性よりも優秀ではない男性を採用して数をあわせているという声も聞く」といったデータを示しながら、「いまの男性主流の長時間労働の企業環境では、女性が働きにくい。もっと生産性の高い働き方をすべきであり、さらに、育児や介護などに関しても、時間と場所に縛られない働き方ができるようになることが大切。また、経営トップのコミットメントも重要であるが、女性を登用しろと言われても、なにをしなくてはいいかわからないという声が現場からあがっている。若い男性社員の間からは、育児は手伝いではなく、主体的に参加することであるとの回答が8割に達しており、こうした動きに対して、会社がコミットメントし、実践していくことも大切である。日本生命のように、男性社員の100%が育児休暇を取得した例も出ている。

 男性が女性の領域に入っていくことで、理解が深まる。経済同友会では、男性にマイノリティの経験をしてもらうといった取り組みを行ったところ、女性の登用に対しての気づきがあったとの声があがった。性別や国籍は個性のひとつ。女性を登用することに対して、目標値を設定することは時限的に必要であるが、それにあわせて、女性という個性を評価し、女性の職域の拡大を行っていくことが必要である」などと語った。

previous page
3
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

大河原克行


IT&ビジネス 業界ウォッチ

IT業界で話題の新サービス・新製品のニュース、これから話題になりそうな新ツール、知っておきたい各種の統計調査……などなど、経営効率化に寄与するIT業界の今のうごきをレポートします。

「IT&ビジネス 業界ウォッチ」

⇒バックナンバー一覧