「なぜ就職するのか(あるいは、就職しか選択肢はないのか)」、「世の中にはどんな産業があり、企業があるのか」、「アルバイトと正社員とはどう違うのか」、「なぜ仕事をすると給料がもらえるのか」、というような私たち年配者にとっては当たり前のことを考えるゆとりを少しあげたい、と私は思います。
そして、自分で食っていくために働かなければならず、食っていくためには必ずしも価値観が一致しない他者とうまく付き合っていくことも必要で、自分の価値観が変わっていくこともありうるのだということ。一言でまとめるなら、「働いて生きていく覚悟」こそ、大学生活の後半に身につけるべきで、そのサポートになるようなプログラムを、ぜひ大学には用意してもらいたいものだと思います。
「出口」だけでなく
「入口」も変わるべき
今回の動きは、企業側からの問題提起であり、事態正常化向けて世の中に投じたボールです。
そのボールを次は大学が受け止め、投げ返さなければならないでしょう。
就職活動時期を変えただけで、優秀な人材が増えるわけではありません。
多くの企業人が、採用担当者が嘆くような「採りたい人材がいない」という現状は、採用が早期化、長期化したから起こったことではありません。
入試制度が多様化し、難関大学でも推薦入学者が3割、4割になってしまったこと。これも、問題の根のひとつです。
採用活動の変革は、いわば「出口」の改革です。しかし、「入口」が見直されることがない限り、構造的な変化は起きないのではないでしょうか。
大学当局に、じっくりと考えていただきたいところです。
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