10月7日、「強制起訴」となった小沢一郎氏は、民主党離党も議員辞職もしないことを明言した。
小沢氏は、自ら部屋(党)を出て行かないし、いわんや家(国会)も出て行かない。
そうすると、誰かが追い出す(除名)か、出て行くように迫る(勧告)しか方法がなくなる。
それもできないなら、積極的に居座りに理解を示すか、あるいは仕方なしに放置することになろう。
だが、それも他の部屋(他党)から文句が出るし、家の外(世論)も厳しい。出て行かない人にも厳しいが、それを放置する人にはもっと厳しいから困る。
小沢氏を離党させたら、
政権基盤が揺らぐというジレンマ
小沢氏が鮮明に態度表明したことによって、ボールは菅直人首相と党執行部にある。実に悩ましい話だ。
菅首相は、またもや「岡田(克也)幹事長に任せている」と逃げているが、誰が見ても、党代表である首相が対応を決めることである。
しかし、首相の性格からして、この一件で泥をかぶることは避けるだろう。それに一貫して非小沢を貫いてきた岡田幹事長と違って、小沢氏を最大限利用して首相の座に就いた菅首相には決して小沢氏に強硬な決断はできない。
また、仮に、小沢氏を追放することができたにせよ、“小沢不人気”を政権基盤とする菅政権は、そのとたんに急失速するというジレンマに陥る。小沢氏が部屋から出ていけば、反小沢でまとまっていた陣営が四分五裂するのは避けられないのだ。