――基本はニュースということは、報じられるかられないか、はわからないわけですよね?

ガリガリ君、年5億本売る秘密は「ブームを作らない」意外にも「ガリガリ君の“アピール”は一切しない」と萩原さん Photo by T.U.

「そうですね。自分たちからこれやりました、あれやりました、というアピールは一切、しません。ただし、口コミがどう広がるかという動線は気にします」

 ちなみに、話に出てきた『ガリガリ君リッチ コーンポタージュ』は2012年9月に発売されている。アイスでコンポタ味という斬新さが評判となり、予想を超える売れ行きとなったために品薄にもなり、一時は販売休止となった。この時、『コンポタ味』の販促費は15万円しかなかったが、各メディアに取り上げられたため、実際の広告宣伝効果は5億円以上という。

「『ガリガリ君』は、ソーシャルメディアの発達とともに伸びてきた商品でもあるんです。年間2億本を突破した2006年頃にちょうどブログが盛んになりまして、2010年以降はツイッター、フェイスブック、LINEというように動線がどんどんと広がっていった。ですから、同じ口コミでもツールが多様になり、今のような売上になってきたというわけなんです。

 我々、こちらから仕掛けることはしませんが、取材にはできる限りご協力させていただいています。今回の値上げに関しても、新聞、テレビ、雑誌、ウェブとすべて受けました。電話等での問い合わせも含めると、100件は下らなかったと思います」

 4月の『お詫びCM』に関しては海外でも報じられたわけだから、広告宣伝効果に換算すると10億円以上ということになるだろうか……。今は北米の日本人向けスーパーで売っているほか、台湾とタイでテスト販売しているくらいだそうだが、そのうち、「ガリガリ君、世界進出へ」なんていう見出しが新聞に躍る時代がやってくるかもしれない。

「今年も猛暑になれ!」
切なる萩原さんの祈りは届くか?

――それにしても花形のお仕事ですね。

「そう思われますが精神的にはきついものがあります。本音を言えば、私もこのへん(2012、13年あたりのグラフを指差し)で消えたかった(笑)。

 ガリガリ君プロダクションを始めた頃は、未知の大陸がたくさん広がっていたわけですよ。それを自分たちでどんどん侵食していって、攻めるところがこう、だんだんとなくなってきているわけで。ネタも、正直、しんどくなってきています」