それだけではない。レンタルルームは、デート代を節約したい男女や、1人で使用する宿泊目的の客のほか、性的マイノリティたちも頻繁に利用しているのだという。

 ラブホテルが想定する顧客層は、あくまで男女のカップル。一部のラブホテルのなかには、同性同士の利用を嫌うところもある。これは同性愛者利用を拒んでいるのではなく、「事件性の排除」(大阪府内・ラブホテル店長)が目的だという。例えば、麻薬、覚せい剤の売買や賭博の開帳が、密室性の高いラブホテル客室を利用して行われるのではとの懸念からだ。

 また男性同性愛者の客室利用後は、ローションやワセリンが室内に散乱、従業員の清掃に負担がかかるという事情もある。いずれにせよ男性、女性問わず同性愛者にとってラブホテルはハードルが高い場所であることは確かだ。

実はお客を選り好みするラブホテル
同性愛者やSM利用はNGも

 神奈川県川崎市に住む同性愛男性(35)は、このラブホテルが醸し出す「招かれざる客」感を嫌って、交際中男性(43)との逢瀬には、もっぱらレンタルルームを活用している。ラブホテルに比して安価な価格帯であることも大きい。

 「同性愛者5人で利用した際は、ちょうどフリータイムだったので4時間利用で3400円で済みました。5人で割り勘にしたので、1人当たりの負担は約700円でした」

 男性のみならず女性の同性愛者もレンタルルーム利用に積極的だ。現在、交際中女性(38)と月に1度の頻度でレンタルルームに訪れるという東京都墨田区在住の同性愛女性(42)は、その利用理由について、安価に設定されている価格帯もさることながら、繁華街に近い雑居ビルという立地にあると話す。

「見た目がケバケバしいラブホテルに入るドキドキ感も捨て難いです。でも女性2人で入るとなるとやはり人目もありますから…。雑居ビルなら人目も気にしなくて済むので助かります」

 性的マイノリティは何も同性愛者に限った話ではない。SM、3P、グループセックスといった特殊性癖者もいる。彼らもまた旅館業法管轄のシティホテルはもちろん、風俗営法管轄のラブホテルからも疎まれる人たちだ。

「SM嗜好の人たちは、プレイで蝋燭を用いたり、浣腸を行います。そのロウや排泄物をシーツにつけたり、バスルームの排水溝を詰まらせることもしばしばです。血のついた針が落ちていたこともありました。衛生面からもスタッフの安全性を確保できません。従業員一同、彼らには辟易としています」。大阪府内のラブホテル従業員は、一部SM嗜好者のラブホテル利用マナーの悪さに憤りを露わにした。