京都大学・田地野彰教授の監修による「意味順ノート」が発売された。1~4年生16名の理学部、文学部の大学生を対象としたライティングテストでは、意味順指導の前と後で実施された点数差が、100点満点中平均20点アップの効果が見られたという。
また、小学校5年生33名、6年生34名を対象に意味順ノートを使った結果、約85%の生徒が「意味順ノートはわかりやすい」と回答したそうだ。
このノートは、英語を感覚的に学ぶことができる「だれが」「する・です」「だれ」「なに」「どこ」「いつ」の意味順ガイドを英習罫に採り入れた新しいタイプのノートで、意味の順番で記入しやすいように区切り線が入っているのが特徴である。
この特徴は、ビジネスシーンには欠かせない「5W1H」に通じるものがある。
ご存知の通り、「5W1H」とは「Who」(だれが)「What」(なにを)「When」(いつ)「Where」(どこで)「Why」(どうして)「How」(どのように)の頭文字を取っている。
こうして見比べてみると、英語学習を目的として作られたノートではあるが、あらゆるビジネスシーンでの活用が考えられる。たとえば、プレゼン資料を作成する場合、この「5W1H」が曖昧な状態ではユーザーに伝えたいことがきちんと伝わらない。
試しに、例題を使って「5W1H」に当てはめてみよう。「男性向けスキンケア化粧品に関するプレゼン」でこの「意味順ノート」を使用するケースで検証してみる。
例題:「新製品プレゼン資料作成」
●「だれが」……営業担当者が
●「する・です」……パワーポイントで作成した資料をスクリーンに映してプレゼン
●「だれ」……流通業者向けに
●「なに」……新製品の特徴や優れている点
●「どこ」……新製品発表会で
●「いつ」……○月○日に
(「どのように」……新製品技術担当者と営業担当者がパワーポイントで作成した資料を使って)
以上を並び替えてみると、このようになる。「流通業者向けに、新製品の特徴や優れている点を、新製品発表会で、新製品技術担当者と営業担当者がパワーポイントで作成した資料を使って、営業担当者が、プレゼンする」となる。
また、商談の際にもこの「意味順ノート」を使って打ち合わせをすれば、大切な点をうっかり書き忘れてしまうことも少なくなるのではないだろうか?
「意味順ノート」は「英語をわかりやすくすること」を目的とした文具であるが、使いようによってはあらゆる可能性を秘めている。決められたものを決められた通りの使い方だけではなく、今回ご紹介したような活用方法を模索してみることも、楽しさの1つかもしれない。
(木村明夫)