また、インテリアもトヨタ初の11.6インチ大型ディスプレイを採用し、スマホ感覚の操作とインターフェースを追求するとともに、従来のPHVモデルのインテリアの安っぽさを一掃した感じを受けた。

 環境と走りのためのPHVシステムは、EV走行距離60㎞以上となり、リチウムイオン電池のバッテリー容量は従来型に比べ約2倍となった。充電システムも低温時でのEV性能向上へ充電器の出力向上、急速充電、AC100V/6A充電の採用など充電時間抑制・利便性向上を図った。EV走行時の最高速度も従来の100km/hから135㎞/hに向上させている。このPHVシステムのさらなる効率改善で燃費は37.0㎞/L(従来型プリウスPHV31・6km/L)が目標値とされた。

ソーラー充電システムの搭載車も
価格は330万円程度からのラインナップか

 さらに、新型プリウスPHVには、量産車として世界初のソーラー充電システムを開発しており、搭載車のオプションもある。充電スタンドがない駐車場や災害時で停電した場合でも太陽光さえあれば充電が可能となる。

 このように新型プリウスPHVは、たんなるプリウスの追加モデルということでなく、トヨタが本腰を入れて開発した新たなPHVであるということが理解できる。充電にしても一般の急速充電で約20分で80%充電でき、家庭用AC充電はAC100V/6A充電の採用で専用回線工事が不要になるなど使い勝手が多様だ。

 問題は、価格設定であるが、従来モデルはプリウスGの252万円に対しPHVが321万円、Sの232万円に対し、294万円と62万~69万円高の設定だった。4代目プリウスSが247万円の設定であり、この新型PHVが新システムや初搭載、機能強化を多く採用しているだけに「できるだけお求めやすい価格にしたい」(豊島チーフエンジニア)との方針でも赤字スレスレで、330万円程度からのラインナップになるかと想定される。

待ったなしの環境規制
PHVが主戦場に

 世界の環境規制強化は、待ったなしである。ガソリン・ディーゼルのエンジン車の内燃機関の進化も著しいものはあるが、次世代エコカー認定とは異なるもの。販売台数に占めるエコカー比率の向上を求められ、エコカー補助金対象から外れると、販売機会を失うことになる。

 次世代エコカーとしてEVやFCVの市場投入はインフラや航続距離の面からまだ量販段階に時間がかかる。HVは日本市場で主流となっているが、世界の環境規制の枠から外される。だが、PHVはエコカーとして認定されるということならば必然的にPHV戦略に力を入れよう。

 トヨタのエコカー戦略は、HVをベースにしたPHV、さらにFCVへと電動車への「ゼロエミッション」へのステップを踏んでいくのであろう。トヨタはすでに環境戦略として2050年までにエンジンだけで走る自動車の販売をほぼゼロにする目標を策定し発表している。しかし、2050年までには相当なタイムスケジュールが必要であり、当面はHV戦略を大事にしながら次のPHV戦略を大きな柱とすべく歩を進めてきたといえよう。

 世界のライバルであるフォルクスワーゲン(VW)もディーゼル不正からEV開発に急ピッチで舵を切っているが、当面は他の欧州勢も含め。PHV戦略に力を入れてきている。まずはトヨタvsワーゲン、PHV戦略でしのぎを削る競争となりそうだ。