●極意その3●固定金利で小さく借りて早く返済する

不動産投資で失敗しない5つの極意(中)

 不動産経営には、もちろんコストがかかる。初期投資に加えて、物件の資産価値を維持するための管理費や修繕費、ローン返済や固定資産税、減価償却費がその主なものだ。

 家賃収入からコストを差し引いた残りが収益だが、ローン負担ゆえに収益を残すことは簡単ではないのが実情である。

 では、早めに収益を得るためにはどうしたらいいのか。ひとつは、購入金額を下げることだ。といっても、いたずらに条件を下げれば入居者に魅力のない物件になってしまう。条件を維持しつつ、どれだけ購入金額を下げられるかは、投資家の腕の見せ所だ。

 自己資金を準備して借入金額を減らすことも大切。また、できるだけ金利の低い資金を借りたい。低金利の今なら、固定金利をなるべく長く引っ張ること。

 「現預金などのまとまった資産があれば、その資産を、不動産投資に回さなくとも、低金利で借りられる可能性が開けます」(不動産投資家の白岩貢さん)との声もある。

 繰り上げ返済を活用すれば、金利負担をさらに抑えることができる。とにかく、小さく借りて早く返済する。これを徹底すれば、収益獲得への道のりは短くなる。

 もちろん、家賃収入の減少に直結する空室を出さないことが、収益の絶対条件だ。お金をかけるところにはかけ、絞るところは絞る。メリハリをつけた投資を心掛けたい。


(取材・文/米田真理子、イラスト/大塚砂織)

ダイヤモンド・ザイ2011年9月号に掲載。特集は「買いの電力株5&高配当株20」。そのほか「読者20人の毎月分配型ファンドの損得をメッタ斬り!」「新興国株&資源の買い方・売り方」なども掲載。特別付録は全1033銘柄を完全掲載した「株主優待大カタログ2011」。