財団所有という珍しい一面を持った、ドイツ最大の光学機器メーカー。日本進出100周年を迎えた長寿会社の今後の展望を聞いた。

カールツァイスAG社長 ミヒャエル・カシュケ<br />市場のプレッシャーは無縁<br />財団所有ゆえの長期戦略Photo by Kazutoshi Sumitomo

──同じ光学機器メーカーとして、医療機器などで競合するオリンパスで不祥事が発覚し、外資系企業からの買収観測も流れている。この現状をどう見るか。

 オリンパスが置かれている状況について、われわれからのコメントは控えたい。

 事業分野で考えると、オリンパスとは特に顕微鏡で競合している。オリンパスの技術や製品はすばらしく、ベンチマークにしている強い競合他社の一つだ。

──ピーク時と比べて株価がだいぶ低くなっているが、買うつもりはないのか。

 われわれは財団が所有している非公開企業という特性もあり、資本が潤沢にあるわけではない。そのため、会社の内部からの成長に注力してきた歴史があり、そこに強みを持つ会社だ。

 過去には優れた技術を持つ小さな会社を買収したこともあるが、基本的に他社を買うことに焦点は当たっていない。