著者累計700万部突破のベストセラー作家で、新刊『大富豪からの手紙』著者、本田健さんと、シリーズ127万部突破の『伝え方が9割』著者、佐々木圭一さんのお2人による「ベストセラー対談」。それぞれの著書に込めた思いと、互いの著作の感想を語り合っていただきました!

「何も決断しない、行動しないこと」が、いちばんのリスク<br />【本田健×佐々木圭一】

決断しない、行動しないことが、いちばんのリスク

佐々木『大富豪からの手紙』には、メンターとの対話、祖父からの手紙という形式をとりながら、「人生の秘密」をひも解く「名言」が数多く出てきますよね。
 たとえば、「第2の手紙:【決断】」の中で僕の印象に残っているのが、

・「何も決断しない、行動しないことが、いちばんのリスクなのだよ」
・「『不安のコスト』=『手に入ったかもしれない最高の未来』となる」

 という祖父からのメッセージです。
 僕自身、行動できずに悩んでいた時期があったので、祖父の言おうとしていることがよくわかります。

本田:ほとんどの人が、「行動の大切さ」に気がついていて、「行動しなくちゃ」と思っています。それなのに、なぜ行動しないのかといえば、「行動をすると、失敗のリスクが発生するから」です。
 行動をしなければ、成功はしないけれど失敗もしない。少なくともマイナスにはならないから、「得した感じ」がしているんです。だから、安定安全な人生を狙ってしまって、自分のポテンシャルの10分1も発揮しないまま、ほとんどの人たちが人生を終えてしまっているのではないでしょうか。

本を読めば、たくさんの人生を疑似体験できる

「何も決断しない、行動しないこと」が、いちばんのリスク<br />【本田健×佐々木圭一】 佐々木圭一(ささき・けいいち)
コピーライター/作詞家/上智大学非常勤講師
上智大学大学院を卒業後、97年大手広告会社に入社。後に伝説のクリエーター、リー・クロウのもと米国で2年間インターナショナルな仕事に従事。日本人初、米国の広告賞One Show Designでゴールド賞を獲得(Mr.Children)。カンヌ国際クリエイティブアワードでゴールド賞他計6つ獲得、など国内外55のアワードを入賞受賞。福岡県クリエイティブディレクター、シェラトンJAPANクリエイティブディレクター、などブランディング、広告CM制作多数twitter:@keiichisasaki Facebook:https://www.facebook.com/keiichisasakitokyo
HP: www.ugokasu.co.jp

本田:結局、「人は体験からしか学べない」「失敗からしか学べない」というのが、僕の持論なんです。体験のしかたには2つあって、ひとつは、リアルな体験です。実際に自分でやってみればいい。新しいことを体験すると、失敗するかもしれない。でも、「失敗」が1番目の学びであり、成長の糧です。

 2つ目は、バーチャルで体験すること。つまり、本を読んで、疑似体験することです。本というフォーマットであれば、たくさんの人生を疑似体験できますよね。自分で体験することも、本を読んで疑似体験することも、どちらも大事だと思います。

佐々木『大富豪からの手紙』は、小説の体裁をとっていますから、一般的なビジネス書よりも、読み手の感情が乗りやすいし、腑に落ちると思いました。
 主人公が失敗すると、僕も一緒になって「はぁ……」と落胆するし、うまくいったら、「おぉ、よし!」と喜べる。感情が乗ると自分事化(じぶんごとか)できるので、僕も、敬の行動や気づきを疑似体験できました。

本田僕は、「優れた本は、人の人生を追体験、疑似体験できる」と考えているんです。「疑似体験が得られる本」を書くことができたら、著者として最高の喜びだと思います。