部下を注意するときのNGワード部下を注意するとき、あなたもNGワードを言ってしまっているかもしれません Photo:PIXTA

 皆さんこんにちは、澤です。

 皆さんには、部下や後輩がいますか?

 日本の一般的な企業では、そろそろ4月に入社した新卒の社員が本配属になったり、各部門で実地トレーニングに入ったりする頃ではないでしょうか。

 新しく入ってきた若手や新卒社員に限らず、他部署から来た人と接していて、「若くて元気があっていいな」「別の部署の経験を聴くのは参考になるぞ」とポジティブな影響を受けることもある反面、「話がなかなか通じないな」「この子は常識がないぞ」といった、ネガティブな感情を抱くことも少なくないでしょう。

 今回は、このような「自分から見てダメな部下や後輩」にどう接すればいいのかをテーマにしてみましょう。

ダメな部下・後輩は何をもって「ダメ」か、
きちんと説明できますか?

 いきなりですが、皆さんは「ダメ」の基準を明文化し、数値化された基準に照らし合わせて、「できている」or「できてない」を判断していますか?「自分の部署で以前からあるしきたり」や「先輩から代々受け継がれたやり方」を根拠に判断していないでしょうか。

 私は、今はやりの「働き方改革」のトピックでさまざまな企業に呼ばれ、経営者の方とお話しする機会があります。数多くの経営者の方々とお話をしていて気が付いたことは、明確な「ジョブ・ディスクリプション」を持っている企業がとても少ないということです。

「ジョブ・ディスクリプション」は日本語では「職務説明書」とか「業務明細書」と訳されます。つまり「あなたの仕事はこれですよ」ということが明記されているドキュメントのことで、さらに言えば「これをやって初めて評価されますよ」という、フェアに評価されるために必要な情報がまとめられたものです。

 明確な評価基準がないにもかかわらず、なぜか人は「あの人はまじめに取り組んでいない」とか「彼はたるんでいる」といった判断をしてしまい、「だからあの人はダメなんだ」という評価してしまうのは、決してフェアではありません。

 人はある組織の中で活動をしていると、その組織の暗黙知が自分の判断基準となっていきます。そして、外から見ると奇妙な決まり事や習慣が染みついてしまい、それをつい新しく入ってきた人たちに対しても押し付けてしまうことがあります。