ゾフルーザ保守点検耐性ウイルスの問題がクローズアップされたインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」

 暖冬で出足が鈍かったインフルエンザが、本格的な冬の到来とともに猛威を振るっている。1月21日からの1週間に報告された患者数は1医療機関当たり57.09人。1999年の調査開始以来、最多だ。

 インフル治療薬市場が活性化する中、気をもんでいるのが今シーズンから新薬「ゾフルーザ」(錠剤)で本格参戦した塩野義製薬だ。国立感染症研究所が1月下旬、「ゾフルーザを使った患者から、耐性を持つ変異ウイルスが検出された」と発表したからだ。

 耐性ウイルスとは、治療薬の効き目が低下したウイルスのこと。ゾフルーザが国に承認される前の段階から「他のインフル治療薬より耐性ウイルスの検出率が高い」とは指摘されていたが、実際に発売されてから検出が明らかになったのは初めて。各種報道は利便性や二次感染抑制効果が期待できるゾフルーザを「画期的新薬」だと礼賛する内容から、中立もしくは批判的なものに変わりつつある。