夏本番を迎えると、強く降り注ぐ日差しや頭皮から吹き出す汗で、髪の毛は予想以上のダメージを負ってしまうもの。こうした夏特有のダメージをきちんと対処せずに放っておくと、薄毛や抜け毛の原因、さらには悪臭の元になりかねないという。株式会社Eight&Rの代表取締役で、美容メディア「美容ノート」の運営も行っている美容師の竹村一八氏に、髪のために気をつけるべきこと、ケア方法などを聞いた。(清談社 ますだポム子)

紫外線による光老化が
薄毛・抜け毛の原因に!

薄毛の人は紫外線に注意すべきです頭皮の光老化は薄毛の大きな原因である(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 ここ数年猛暑が続き、女性のみならず男性にも、紫外線対策やクーラーによる乾燥対策に取り組む人が増えてきた。しかし、露出している肌ばかりに目を向け、つい忘れがちになってしまうのが頭皮だ。「髪の毛に覆われているし、焼けない、乾燥しない」と思い込んで対策を怠ると、取り返しのつかないことになってしまうという。

「とくに注意してほしいのが紫外線です。肌や頭皮の老化には、紫外線による“光老化”が大きく関わっているため、紫外線を浴びて頭皮の光老化が進行すると、頭皮が硬くなり、血行不良になってしまいます。血行の悪い頭皮では、新しく生えてくる髪の毛も、細く、パサつきやすく、ツヤのない髪になってしまうのです」

 髪が生えてくる土壌の状態が悪くなることで、次第に元気のない髪の毛しか生えてこなくなり、薄毛や抜け毛、さらには頭皮からの加齢臭も引き起こしてしまうという。紫外線を浴びた直後から影響が出るわけではないが、長年にわたってダメージを蓄積するとこうしたトラブルを起こすリスクは高まるため、予防意識を高く持つことが重要なのだ。

「手軽にできるケアとしては、髪の毛用のUVカットスプレーを使う、帽子を着用する、などが挙げられます。『髪の毛や頭皮に日焼け止めなんて、負担が大きそう…』というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、紫外線を浴びる負担に比べたら微々たるものですよ。実際に私が担当しているお客さまのなかに、日焼け止めスプレーで髪や頭皮が荒れたという声は聞いたことがありません」