グレタさんが訴える気候変動の正義は「新たな階級闘争」だPhoto:NurPhoto/gettyimages

12月2日にマドリードで始まり、13日に閉幕を迎える第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)。パリ協定の本格実施を来年に控え、各国が温室効果ガスの削減目標引き上げや新たな排出抑制策をどう打ち出すかが注目されるが、気候変動問題の取り組み強化の機運を一気に盛り上げたのが、スウェーデン人の16歳の少女、グレタ・トゥーンベリさんの“告発”だ。「あなたたちが言うのはおとぎ話。私たちは絶対に許さない」と語る彼女のメッセージの意味を、斎藤幸平・大阪市立大准教授が読み解いた。(大阪市立大学准教授 斎藤幸平)

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 先月、米国・ボストンをヨットで出発した彼女は、約3週間の大西洋の航海を終え、3日、ポルトガルに到着。6日にはマドリードに移動し、公式イベントでスピーチするなど発信を続けている。

 9月23日、ニューヨークでの国連気候行動サミットで大人たちを厳しく糾弾したスピーチの後、米国やカナダの各地で演説を終えたのちに、今度はスペインでのCOP25に参加するため、欧州へ戻ったのだ。