気候行動サミットで演説したスウェーデンの高校生活動家、グレタ・トゥンベリ氏。トランプ大統領も会場を訪れた Photo:Reuters/Aflo

トランプ大統領がパリ協定からの離脱を宣言するなど、気候変動対策への懐疑的な態度が目立つ米国だが、有権者の関心は着実に高まっている。特に若年層の意識は高く、2020年の大統領選挙でも、重要な論点になりつつある。(みずほ総合研究所調査本部 欧米調査部長 安井明彦)

気候行動サミットで目を引く
若者の盛り上がり

 9月17日から開催されている国連総会では、気候変動が大きな論点となっている。主たるイベントは9月23日に開催された気候行動サミットだが、目を引くのは若者たちの行動だ。気候行動サミットに先立つ9月20日には、気候変動対策を求める学校ストライキが全世界で展開され、翌21日には、ニューヨークの国連本部で国連若者気候サミットが開催された。

 2018年に学校ストライキを1人で始めて以来、世界に旋風を巻き起こしてきたスウェーデンの高校生活動家、グレタ・トゥンベリ氏も米国を訪れており、首都ワシントンで議会の公聴会に出席したり、前述の若者気候サミットや気候行動サミットで演説を行ったりするなど、精力的に活動している。

 トランプ大統領のパリ協定離脱に象徴されるように、気候変動対策に懐疑的な態度が目立つ米国だが、有権者の関心は着実に高まっている。前述の学校ストライキでは、ニューヨーク市が保護者の了解を前提に、公立学校の生徒にストライキへの参加を認めたことが話題を呼んだ。ニューヨーク市の発表によれば、ストライキ当日の9月20日に同市で行われたデモ行進には、約6万人が参加したという。

 関心の高まりは、世論調査の結果を見ても明らかだ。ピュー・リサーチセンターが2019年7月に行った調査によれば、有権者の6割弱が気候変動を米国に対する深刻な脅威だと考えている。2013年の調査では、同様の回答は4割に過ぎなかった。

 同じく、ピュー・リサーチセンターが2018年3月に行った世論調査では、有権者の約7割が米国政府による気候変動対策を不十分だと考えており、同1月の世論調査では、4割弱が気候変動対策こそが大統領と議会が最優先で取り組むべき課題だと回答している。2011年の調査では、最優先課題に気候変動対策を挙げる割合は20%台にとどまっており、この8年間での問題意識の上昇幅は、同センターが選択肢に含めた18の政策分野のなかで最も大きかった。