藤井聡太にビル・ゲイツ、ビヨンセも…オルタナティブ教育は日本で浸透するか写真はイメージです Photo:PIXTA

モンテッソーリ教育などで知られる「オルタナティブ教育」が日本でも少しずつ浸透しつつある。「従来の教育法とは全く別のアプローチに基づいた教育法」をいい、支持される一方で、懐疑的な人もまだ多い。そのメリットとデメリットを、保護者はどう見極めるべきなのか。子どもを持つ父でもある筆者が考える。(フリーライター 武藤弘樹)

子どもの環境選び
オルタナティブ教育が気になるが踏ん切りがつかない

 子育てをする上で「我が子にできる限り最高の環境を」と考える親は多いだろう。筆者もその1人である。“最高の環境”と一口にいっても色々なアプローチがあるが、その中のひとつに進学先選びがある。
 
 子どもの性格や人格を形成していくうえで、環境は無視できない重要な要因である。有名な話だが、心理学者の安藤寿康・慶応義塾大学教授によると性格は約50%が遺伝子で、残り50%が環境によって決定されるそうである(※参考:日本心理学会)。そしてこの“環境”は親や家庭の影響よりも「一人ひとりに独自な非共有環境が重要」とのこと。

 つまりどの学校に行って、そこでどのような友人を作って、どのような時間を過ごすかが性格形成に大きく関わってくる、ということである。

 公立にするか私立にするか、受験対策に力を入れているところか、校風はいかがか、など諸条件を加味しながら進学先を絞り込んでいくわけだが、近年そこに、「オルタナティブ教育」という選択肢があることが認知され始めている。

 オルタナティブ教育とは、広義には「学校教育法によらない教育(機関)」を意味する(不登校児向けのフリースクールなどもこれに当たる)が、狭義のニュアンスとしては「従来の教育法とは全く別のアプローチに基づいた教育法」で、その代表格たるモンテッソーリ教育やシュタイナー教育が知られている。本稿ではこの後者、狭義のオルタナティブ教育について述べたい。
 
 筆者もひかれる部分があるのだが、実際にそこにわが子を委ねようという踏ん切りが今ひとつつかない。
 
 世の親は現状、オルタナティブ教育に対してどのような所感を抱いているのだろうか。