全世界でシリーズ累計100万部超のベストセラー『ブレイン・ルール』の第2作目にあたる『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』がついに日本上陸。「賢く幸せな子になってほしい」と願うすべての親のために、科学的に何度も「正しい」と認められた子育ての手法だけを紹介している。本連載では同書より特別に一部を公開する。

子どもの脳が育たない?教育熱心なのに残念な親4タイプPhoto: Adobe Stock

危険な過干渉の子育て

 親のなかには「子どもの脳はオリンピックのレースを駆け抜けるように発達していく」と考えている人がいる。だからどんな段階であろうと、わが子に一等賞をとらせたいと願う。いくら犠牲を払おうと、わが子を勝たせたいのだ

 そうした考えにとりつかれた親が子どもに及ぼす悪影響は、とくに大学受験の場で如実にあらわれる。

 私はたいてい大学院生を相手に講義をおこなっているのだが、ときどき、医学部への進学をめざしている学生の指導にもあたる。当の学生たちは医学部進学で頭がいっぱいで、ほかのことにほとんど関心を見せない。そうした学生に話を聞くと、多くの場合、子どもの進路にあれこれ口をだす親から英才教育を受けてきたことがわかる。

 子どもは「人間」として見られるのではなく、親の「勲章」と見なされてきたのだ。こうした過干渉の子育て、つまり「ハイパーペアレンティング」は研究の対象となってきた。