半導体株に重荷、需給サイクルのピーク迫るPhoto:VCG/gettyimages

――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 半導体メーカーは、次回の四半期決算発表に向けて困難な課題に直面している。好調な数字も、「ピークが来ている」という投資家の不安をあおるだけかもしれない。

 半導体の売り上げは好調だ。米半導体工業会(SIA)の今月の発表によると、5月の世界半導体売上高は前年同月比26%増の436億ドル(約4兆7900億円)と、月間で過去最高を記録した。20%強の伸びは2カ月連続だ。世界的な供給不足により、販売の一部は今後数四半期に持ち越されたとみられる。ファウンドリー(半導体受託製造)最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が15日に発表した4-6月期決算では、売上高が前年同期比で20%増と過去2四半期で加速している。世界の最先端半導体製造の90%以上はTSMCが占める。

 ただ、半導体関連株はここのところ小休止状態にある。フィラデルフィア証券取引所(PHLX)の半導体株指数(SOX)は、今年に入ってからほぼ常に市場全体を下回っており、15日の終値時点の直近3カ月間で、ハイテクの主要サブセクター指数の中で唯一、下落している。同指数は過去2年間、S&P500指数を年間30ポイント超上回っていた。