眞子さま結婚報道に見る週刊誌と皇室の変化、文春元編集長が感じた「憂い」Photo:JIJI

2021年は、秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんの結婚をめぐるさまざまな報道が話題になった。過熱する週刊誌報道に対して、皇室も直接コメントを出すほどだった。インターネットが普及し、メディアと人々の関わり方が変わる中で、皇室と報道はどう変化してきたのか。また、週刊誌報道、そして皇室の課題とは何か。『週刊文春』『文芸春秋』編集長を務め、長年、週刊誌報道の一線に身を置いてきた筆者が考察する。(元週刊文春編集長、岐阜女子大学副学長 木俣正剛)

皇室と週刊誌報道
「文春」元編集長の憂い

 2021年11月14日、秋篠宮家の長女・眞子さまは完全に一般人となって、小室圭さんとニューヨークへ旅立たれました。婚約が発表されて約3年、週刊誌を中心とした「母親の借金問題」報道が大きな原因となり、皇室的な行事を一つも行うことなく、王冠(ティアラ)を懸けた恋は成就したのです。

 しかし、長年週刊誌に関わった人間からすると、今回の一連の騒動は報道も皇室の反応も、今後に憂いを残すことだらけだなと感じてしまいます。

 週刊誌は常に悪者にされやすいのですが、週刊誌でないと報道できないこともあります。今回の借金問題も、新聞では第一報は書けなかったでしょうし、テレビは元よりそうですが、週刊誌を引用する形で、責任を問われない報道に終始していました。

 この間、眞子さまは、複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)を患われたと発表されました。週刊誌の記事に傷ついたというのが、大きな原因だともされています。

 今回、皇室からも週刊誌報道に対する批判の声が上がったことで、皇室報道が今後どうあるべきかが問い直される機会になってきていると思います。思い返せば、私が『週刊文春』編集部に在籍していた時代も含め、皇室は常に週刊誌が取り上げる主要テーマであり続けました。そんな中で時代が変わり、週刊誌報道と皇室の関係はどう変化してきたのか、振り返ってみたいと思います。