「浅草EKIMISE」から消費の新潮流を読む<br />歴史と伝統、息づかいが老若男女を惹きつける浅草駅のターミナルビルがリニューアル。ビル外壁もキレイになった Photo:DOL

東京スカイツリーのオープンから半年以上が経ちました。しかし、周辺施設の集客力は衰えず、むしろ勢いを増しています。その恩恵をもっとも受けている街が、地元の浅草です。スカイツリーに立ち寄ったたくさんの観光客がそのまま浅草まで足を延ばすというのが定番ルートになっているのです。そして、11月21日、浅草駅ビル上に「EKIMISE(エキミセ)」がオープンしました。浅草に足を運んでみると、シニアや観光客に混じって10~20代カップルなど今まで見られなかった客層が増えていました。なぜ今、浅草なのか。年代を問わず、浅草のような下町に惹かれる理由とは何か。新商業施設のコンセプトを通して浅草の魅力に迫ります。

スカイツリー効果

 スカイツリーの集客力には、筆者も驚かされました。5月22日から9月末時点の累計来場者数は2095万人。それを受けて、当初、東武鉄道が開業後1年間の来場者数予測としていた3200万人を、4400万人に上方修正しました。

 開業当初を振り返ってみると、50日間はスカイツリーの入場を完全予約制として、来場者の枠を1日1万4000人に限定し、7月からは当日券を発売するようになり2万人の枠に変更して対応していました。それでも、今も土日には行列ができるほどの人気です。

 同施設の商業施設である東京ソラマチが単独で人を集めていることも、繁盛の理由としてあるのでしょう。スカイツリーの展望台へ登るための整理券を配布し、来場者に待ち時間を表示するなどの工夫で、足下にあるソラマチで買い物や食事をする来場者が増えたそうです。(参照:「ブランディングナビ」定点・定物観測レポート)