経営統合は大丈夫?<br />ユニーのわがままにファミマあきれ顔統合新会社の社長に決まったファミマの上田準二会長(中央) Photo by Hiroyuki Oya

「サークルKサンクスというブランドが消えるのだから、新会社の名前はこうしてほしい」

 今年9月に経営統合を控えるファミリーマートとユニーグループ・ホールディングス(GHD)。統合後の新会社の在り方などを協議する統合準備委員会の席上、ユニーGHDの佐古則男社長が出した提案に、ファミマの首脳陣は思わず耳を疑った。

 佐古社長が新会社名の案として示したのは「ユニーグループ・ホールディングス」。“結婚相手”のはずのファミマの名前は、1文字も入っていなかったのだ。

 もともと「小売業では、ブランド名と社名を同一にしないと、消費者に分かりづらい」(ファミマ幹部)との考えから、既存の商号とは異なる新たな会社名という選択肢は、早期に除外されていた。

 そして、コンビニエンスストアのブランド名をファミマに一本化する以上、新会社名にも残すべきと考えていたファミマだが、ファミマの名前を外すユニーの提案にはさすがに面食らったようだ。

 結局、「社名よりも、消費者に近いコンビニのブランド名の方が重要だ」(ファミマ幹部)と判断。両社が掲げる「対等の精神」に配慮し、新会社名はユニーを前に出した「ユニー・ファミリーマートホールディングス」で決着した。

 ただ、将来の海外展開を見据え、英字表記は「FamilyMart UNY Holdings」とファミマの名前を先にすることは譲らなかった。