なぜ一流スポーツ選手は緊張しても結果が残せるのか一流スポーツ選手の集中力の秘密は“自律神経”にありました

 現在開催中のリオオリンピックでは、日本勢も水泳や柔道などで続々とメダルを獲得し、盛り上がりを見せ始めています。

 彼らは大きな大会の場でベストパフォーマンスを発揮し、結果を残していますがこれにも自律神経が大きく関わっていることをご存じでしょうか?

 私はこれまで、スポーツトレーナーとして一流スポーツ選手へのアドバイスも行ってきました。彼らに必要となるのは、試合時に練習で培ってきたパフォーマンスを最大限引き出すことです。どれだけ日々練習を積み重ねたとしても、本番でその成果を発揮できなければ評価されません。そのため、「自分の実力を100%出す」ためのトレーニングを日ごろから行う必要があるのです。自分の実力を100から120に伸ばすことより、100ある力を安定して90出せるようコンディションを整えることの方が、本番のパフォーマンスを上げることに効果的なのです。

 実はこれ、ビジネスマンにも同じことが言えます。日頃からハイパフォーマンスを出すことができるよう自らをコントロールできれば、仕事の効率や成果が格段にアップしていくのです。

一流スポーツ選手は
自律神経が最高に整っている

 では、実際にスポーツ選手は何をしているのか、というお話をしましょう。

 キーポイントは先ほど挙げた「自律神経」です。スポーツの試合中は緊張状態にあるので、交感神経が高まっています。もちろん、交感神経は体にアクセルをかける働きを担うので、試合中に交感神経が高まることは悪いことではありません。

 ただし、交感神経だけが常に高まった状態でいると体が極度に緊張し、本来の実力を発揮することができないのです。つまり、実力を100%出すコツは、気持ちを高揚させながらも、どこかリラックスした気持ちを保ち、冷静でいることです。

 そのような状態を作るときに注目すべきなのが副交感神経です。交感神経と副交感神経の両者がとても高いバランスで働くことにより、パフォーマンスを最大限引き出すことができるのです。