スポーツファンにとって、この週末はやたらと気ぜわしく、かつ興奮が連続する時間だったのではないだろうか。
リオ五輪が開幕し、早々と柔道男子60キロ級の高藤直寿と女子48キロ級の近藤亜美が銅メダルを獲得。重量挙げ女子48キロ級の三宅宏実は腰痛を克服して、やはり銅メダルを獲った。競泳男子400m個人メドレーは萩野公介と瀬戸大也が期待通りの泳ぎを見せて金と銅をゲット。競泳同一種目では60年ぶりに複数の日本選手が表彰台に上がるという快挙を成し遂げた。
かと思えばアメリカからはイチローが12打席ぶりにヒットを打って、メジャー通算3000安打にリーチをかけた報が届いた(8日に達成)。日本では酷暑のなかJリーグが開催され、各地で熱戦を繰り広げたし、プロ野球はセ・パともに緊迫の首位攻防戦が行われた。その一方で夏の甲子園大会も開幕した。普段ならスポーツ新聞の一面を飾るような出来事が一気に数えきれないほど起こったわけだ。
どんなスポーツ好きでも、そのすべてを詳細にチェックするのは難しく、それぞれの好みに応じて優先順位をつけて楽しんだはずだが、それでも他のスポーツの動向が気になってチラ見するという時間を過ごしたはずだ。こうした状況が五輪が終わる21日(パラリンピックを含めれば9月18日)まであるわけで、スポーツファンにとっては至福の日々がしばらく続くのだ。
ともあれ今、熱い視線を集めているのは4年に1度という限られた機会に世界のアスリートが人生を賭けて挑む五輪だろう。
金14個、メダル総数30個以上の目標
ロンドンとの比較で考えると……
五輪といえば、やはり気になるのが日本選手のメダル獲得だ。「メダルという結果だけにこだわるのは良くない」という声もある。世界の強豪が集う五輪の舞台で8位入賞や自己ベストを更新するだけでも立派だし、それができなくても精一杯の頑張りを見せた選手たちを評価すべきというわけだ。
それはもっともだが、当の選手はメダル獲得を目標に厳しい練習に耐え、ライバルを蹴落として出場しているわけだし、メダルが獲れるかどうかの紙一重の争いがドラマを生むのも事実。今回、日本選手団は「金メダル14個、メダル総数30個以上」を目標に掲げているが、それは実現可能なのだろうか。