今年の暑さもいよいよ本番、すでに夏バテになっていませんか?

 日々の暑さが増し、「なんだか疲れが取れない」「食欲がどうしてもわかない」という人も多いと思います。このような症状は一般的に“夏バテ”と認識されますが、実は夏バテの大きな原因は「自律神経にある」というのをご存じでしょうか?

 そもそも、「自律神経とはなにか」ということを、はじめにお話したいと思います。体の不調がなかなか治らなかったり、ストレスが解消されなかったり、これらの悩みのカギを握っているのが自律神経です。人間の体には60兆個もの細胞があると言われていて、それらの細胞の間で情報を伝達しているのが「神経系」です。自律神経はその中の一つで、内臓を動かして血液を送るなど、私たちの意志とは無関係に体の働き、臓器をコントロールしているとても大事な役割を担っています。

 うまく機能している時は、心拍数や血圧がもっとも適した数値になり正常にはたらくため、心身にとってベストな状態になります。自律神経と心身のつながりは医学的にも存在が確認されており、自律神経が乱れれば、身体のコンディションにも不調をきたすことがわかっています。体の至る所にある末梢血管を例にとると、その周りにある平滑筋という筋肉を自律神経が動かしていて、血流をコントロールしています。

 ただこれらは、ストレスなど外部からの刺激に影響されやすい面もあり、自律神経がうまく機能しなくなると 体に様々な不調が現れてしまうので注意が必要です。

なぜ夏になると自律神経が乱れやすいのか

 自律神経は交感神経、副交感神経という2種類から構成されており、車にたとえるなら交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキです。交感神経の働きが上がると血管が収縮し、血圧が上昇します。そうすることで、エネルギッシュに動けるようになり、気持ちも高揚します。一方、副交感神経の働きが上がると血管が適度にゆるみ、血圧は低下します。するとリラックス状態になり心が穏やかになります。