デンソー社長 加藤宣明<br />新興国向け低コスト化技術で<br />日本車の輸出競争力を強化Photo by Nobuhiro Senda

──昨年は減産に伴うスリム化が最優先テーマだった。

 スリム化のメドは立ってきたので目下、次の成長に向けて二つのテーマに力を入れている。省燃費・CO2削減への貢献、そして新しい成長市場への貢献だ。

──まさに自動車業界全体の2大テーマで各社が投資を集中させている。競争面からもスピードある取り組みが必要だ。どのような体制で臨むのか。

 全社の力を結集するために事業部横断的な組織を立ち上げている。新興国向け低コスト商品の開発チーム、アイドリングストップの開発チームなど、現在約10チーム。自主性重視で、各チームは自ら目標を立てて遂行する。

 低コスト商品チームでは、カーエアコンやメータなど20超の商品をリストアップ。基本性能やコストなどをお客様に合わせて設定し、それを提案していく。