『放っておくとこわい症状大全』はじめにより
多くの人が、病気のサインを見逃して損をしています。これは、長年医師として多くの患者さんと接するなかで、とくに残念に思うことのひとつです。
もう少し早く病気に気づいていれば、
もっと簡単に治せたのに、
寝たきりや要介護にならなくてすんだのに、
命が助かったのに……
そんな事例をたくさん目の当たりにしてきました。
人はいきなり大病になるわけではありません(もちろんそういうケースもありますが)。最初は気にもとめないわずかな症状が、放っておくと、取り返しがつかない大病になることがあるのです。ほとんどの病気は、体を使ってSOSを出しています。
・ふつうに歩くだけで息切れするようになった
・夜間3回以上トイレに起きる
・急に便が細くなった
・軽い運動をすると左胸痛がする
・油ものを食べたときだけ、右わき腹が痛む
・なぜかまぶたが下がってくる
これらは、本書でも紹介している大病のシグナルの一部です。いかに早期の段階で、体が発するシグナルに気づき、対処してあげるか。それが病気を治療するための一番のポイントだといえます。
この本では、こうした一見すると見逃しがちな体のSОSサインのうち、とくに早期発見しないと後悔する病気の症状だけを集め、解説しました。ちょっとした不調や栄養不足のサインから、寝たきり・要介護につながる病気やがん、生活習慣病、そして突然死まで、できるだけ早く体の異変に気づき、対処したい病気のシグナルをお伝えします。
本書を一読し、これらの症状が少しでも頭の片隅に残っていれば、あなた、そして大切なご家族がいざというときに、早期発見・治療につなげられることでしょう。
体からのSOSに気づけるか、気づけないか。それが運命の分かれ道です。本書によって、病気で後悔するような方が少しでもいなくなれば幸いです。
■新刊書籍のご案内
秋津壽男 著
定価(本体1250円+税)
ダイヤモンド社刊
【これだけは絶対に見逃さないでください!】
★認知症は「鼻」から始まる!?
★生死を分ける、脳梗塞の初期症状の見分け方
★夜間3回以上トイレに起きる人は「○○がん」の疑い
★足の親指がムズムズしだしたら”あの発作”が迫っている
★心あたりのない腰痛は「うつ」のサイン?
★心筋梗塞は歯の痛みから始まることもある!?
「え、この症状があの大病につながるの!?」「もしもの時のために、知っておけてよかった!」知っておくと早期発見・治療につなげられる病気の兆候をまとめました。一家に一冊、自分と大切な家族を守るための必携書!
【本書で掲載している病気】
大腸がん、胃がん、肺がん、肝臓がん、口腔がん、咽頭・食道がん、膀胱がん、前立腺がん、乳がん、卵巣のう腫、子宮がん、肺炎、狭心症、糖尿病、破傷風、扁桃炎、胆石、脳腫瘍、急性腎不全、バセドウ病、認知症、心不全、関節リウマチ、骨粗しょう症、痛風、パーキンソン病、腰椎ヘルニア、甲状腺機能低下症、老人性うつ、心筋梗塞、脳梗塞、くも膜下出血、脳出血、大動脈解離、アナフィラキシーショック、パンケーキシンドローム、腎盂炎、急性腹症……
【本書のもくじ】
第1章 病気になる前にケアしたい日常の不調サイン
第2章 早期発見がカギを握るがんのサイン
第3章 放っておくと命を脅かす大病のシグナル
第4章 寝たきり、要介護につながる病気の兆候
第5章 絶対に見逃したくない突然死の前触れ