「一見それほどでもない症状でも、実は放っておくとこわい症状も少なくないのです。最初は気にもとめないわずかな症状が、放っておくと、取り返しがつかない大病になることもあります」。そう話すのは、テレビでも人気の総合内科専門医・秋津壽男氏だ。体からのSOSサインに気づかず、後悔することになってしまった方をこれまでたくさん見てきたという。秋津医師の新刊『放っておくとこわい症状大全~早期発見しないと後悔する病気のサインだけ集めました』は、まさにこうした病気で後悔する人を少しでも減らしたいという想いから生まれたものだ。9月16日に発売となった本書の内容を抜粋するかたちで、自分や家族の健康チェックに役立つ情報を紹介していく。

胃カメラ検査の質がグッと上がる「検査前に伝えたいひと言」とは?Photo: Adobe Stock

胃カメラ検査では、食道・咽頭がんもチェックしてもらおう

 食道がんも咽頭がんも初期にはわかりにくく、発見が遅れると予後が悪いやっかいながんです。早期発見がきわめて大事だと覚えておきましょう。

 予防としては、定期健診で胃カメラ検査を入れておくことです。咽頭・食道がんは60~70歳の発症が多く(とくに男性)、喫煙・飲酒が大きな危険因子であるとされます。年齢や習慣に当てはまる人は必ず受診するようにしましょう。

 検査の際には「のどと食道が気になるのでしっかり見てほしい」とひと言添えるのもポイントです。胃カメラは胃の中を見るのがメインですが、そう言われれば、食道もしっかり見ざるを得ません。そのひと言が命を救うこともあるのです。

(本原稿は、秋津壽男著『放っておくとこわい症状大全』からの抜粋です)

秋津壽男(あきつ・としお)

秋津医院院長
1954年和歌山県生まれ。1977年大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をし、和歌山県立医科大学医学部に入学。1986年に同大学を卒業後、循環器内科に入局。心臓カテーテル、ドップラー心エコー等を学ぶ。その後、東京労災病院等を経て、1998年に東京都品川区戸越銀座に秋津医院を開業。下町の一次医療を担う総合内科専門医として絶大な支持を集める。現在、「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京系列)にレギュラー出演中。ベストセラーとなった『長生きするのはどっち?』『がんにならないのはどっち?』シリーズ(あさ出版)ほか、著書多数。新刊『放っておくとこわい症状大全』(ダイヤモンド社)が2020年9月16日に発売。