鈴木義幸(すずき・よしゆき)
株式会社コーチ・エィ代表取締役社長/エグゼクティブコーチ。慶應義塾大学卒業、ミドルテネシー州立大学大学院修了。経営者へのエグゼクティブ・コーチングによるリーダー開発をベースに、企業の組織開発を手掛ける。『コーチングが人を活かす』(ディスカバー・トゥエンティワン)など著書多数。講演情報 https://www.coacha.com/seminar/
『「一緒にいたい」と思われるリーダーになる。』
刊行によせて
コーチ・エィ社長 鈴木義幸
サイモン・シネックは、私の知る限り、今世界で最もリーダーシップをわかりやすく語ることのできる人物のひとりである。
シネックは2009年にTEDに登場し、再生回数は世界中で4000万回を超え、歴代3位に輝いている。
「凄いプレゼンがTEDにある」
そう知人から聞き、確か2012年頃、そのプレゼンにはじめてアクセスした。そのスピード感、リズム、耳に軽快に飛び込む声の音色、そして内容に、私はすっかり魅了された。これ程までに人の話に集中したことが最近あっただろうか? プレゼンを見たあと、そんなふうに思ったのを覚えている。
20分程のプレゼンで彼が発したメッセージは、たったひとつである。
「WHYから始めよ」
全世界で100万部を超える大ベストセラーとなった本のタイトルでもあるこのメッセージを、彼はとてもシンプルにわかりやすく、かつ魅力的に伝えた。そして、多くの人がそのメッセージに深く共感した。
WHAT(何)でもHOW(どうやって)でもなく、WHY(なぜ)を伝えることが、人を動かすために最も重要であるとシネックは言う。
「何」をするのか、「何」を追求するのか、「何」を実現するのか……。
「どうやって」変えるのか、「どう」ほかとは違うのか、「どうやって」達成するのか……。「なぜ」は、これらすべての「何」と「どうやって」に優先されるとシネックは説く。
「なぜ」それなのか、「なぜ」それをするのか、「なぜ」それが大切なのか。
目的、意味、理由、存在意義、存在価値……、そうしたものの共有こそが、人を鼓舞し動かすのだとシネックは語ったのである。
シネックは、リーダーは「インスパイア型リーダー」であるべきだと言う。「Inspire」という英語は、わかるようでわからない言葉でもある。「具体的にどういう意味?」と聞かれると、なかなか答えられない。
シネックの考えをつかみ取るならば、「奮い立たせる」という表現が最もふさわしいように思う。つまり、リーダーは人を奮い立たせる存在であり、人を奮い立たせることに向けてすべての行動を選択する必要がある。シネックはそう考えている。
奮い立つというのは、本人の内側から情熱が立ち昇り、行動へのエネルギーが充満してくることである。それは、決してアメやムチによって引き起こせるものではない。人を奮い立たせるために最も大事なのが、「なぜ」を伝えることであり、目的の共有なくして人を先導することはできない。そうシネックは伝える。
本当に「一緒にいたい」と思われるリーダーというのは、ただ安心できる優しい存在ではない。人は、自分を奮い立たせてくれる人と一緒にいたいと思う。そういうリーダーと仕事をしたいと思う。そんなリーダーになるには、何を大切にすればいいのか。
『「一緒にいたい」と思われるリーダーになる。』には、このような「インスパイア型リーダー」のエッセンスが50の言葉にまとめられている。
この本は、部下を、周りの人たちを奮い立たせたいと思っているすべての人に読んでほしいと思う。そして、最高のチームをつくってほしい。大事な何かをなしとげるために。
組織で働く方々に、大事な何かをなしとげていただくこと。それは、エグゼクティブコーチという仕事を選んでいる私の「WHY」でもあるから。
【新刊のご案内】
価格(本体):1300円+税
発行年月:2019年1月
判型/造本:A5版変形、152頁 ISBN:978-4-478-10228-2
『「一緒にいたい」と思われるリーダーになる。』
TEDトーク4000万回再生!
全米100万部著者が教える
世界一やさしいリーダーシップの本!
ひとりでは、何もできない。
だから、ひとりでもできるという
ふりをしてはいけない。
スターは、自分が
トップになりたいと願う。
リーダーは、チームのみんなを
スターにさせたいと思う。
「シネックの言葉は、単なる説明や
解説ではない。何年ものあいだ、
胸に残るシンボルの役割を果たす」
――コーチ・エィ社長 鈴木義幸氏絶賛!
国連、米連邦議会、ディズニーなどで
教えられてきたシネックの思想を、
50の言葉と美しい絵でやさしく表現。
カリスマ性も非凡な才能も必要ない。
部下・同僚やお子様へのギフトにも最適!
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