「小学生は自分で時間を管理したり、学習計画を立てたりするのはまだ難しい年齢ですから、保護者がスケジュールの大枠を整える必要があります。しかし、親がすべてをお膳立てして『やりなさい』と強制すると、たちまち『自分の勉強』ではなく『やらされる勉強』になり、やる気を損なってしまいます。小さなことでも子ども自身が選べる余地(自己決定感)を残すことが大切なのです」
この「やらされる勉強」から抜け出し、子どもが自ら進んで学ぶ環境を作るために役立つのが「ARCS(アークス)モデル」という動機づけの枠組みです。根本教授に、このモデルを中学受験にどう生かすかを伺いました。
学習意欲は「4つの要素」で育つ!
わが子を伸ばすARCSモデル
ねもとじゅんこ/明治学院大学心理学部教育発達学科教授。専門は教育工学、インストラクショナルデザイン。大学で「教育方法論」「教育課程編成論」を担当する傍ら、子どもの学習意欲を引き出す環境設計や「メタ認知」の育成について研究。「ARCS(アークス)モデル」やテクノロジーを活用し、親が「観察者」として子どもの自走力を育むための実践的なアドバイスを行っている。
ARCSモデルでは、学習意欲を支える要素をA(Attention:注意・関心)、R(Relevance:関連性・自分ごと)、C(Confidence:自信・できそうだという見通し)、S(Satisfaction:満足感・達成感)の4つに整理しています。
A(Attention):注意・関心
最初に必要なのは、「面白そう」「やってみたい」と思えることです。
人は、興味を持てないものに長時間集中することはできません。例えば、理科の単元が苦手な子でも、実験動画や身近な自然現象をきっかけに、「どうして?」という疑問が生まれ、興味・
まずは学びへの「入口」を作ること。それが、学習意欲の第一歩です。親ができることの一つに、この「入口」を子どもと一緒に探すことが挙げられます。そして、いったん芽生えた関心を維持させることも、同じくらい大切です。同じやり方が続けば飽きてしまうので、教材や進め方に変化をつけることも「A(注意・関心)」に含まれます。
