もし今、お子さんのやる気に悩んでいるのなら、「どうして勉強しないの?」と問いかける前に、「この子には、どんな入口が合うのだろう?」と考えてみてはいかがでしょうか。

学びの入口を増やす道具として
デジタルツールの使い方を設計する

 もう一つ、根本教授に受験家庭でのデジタルデバイスとの付き合い方を伺いました。

 子どもに何とか勉強させようとして、「ゲームは禁止」「スマホは合格してから」「YouTubeは1日30分まで」など、デジタルデバイスに関するルールを作るご家庭も多いのではないでしょうか。

 根本教授は、「スマホやタブレットそのものが敵なのではありません。大切なのは、使い方をどう設計するかではないでしょうか」と話します。

 昔は、分からない単元があれば参考書を買い替えたり、先生に質問したりするしかありませんでした。しかし今は、テクノロジーによって学び方の選択肢が大きく広がっています。

 例えば、ARCSモデルの「A(注意・関心)」を引き出すために「NHK for School」の映像で理科の現象を視覚的に見せたり、YouTubeの教育コンテンツを活用したりすることができます「C(自信)」を育むためには、ゲーム感覚で取り組める「シンクシンク」のようなアプリが有効な子もいるでしょう。

「スタディサプリ」なら、塾とは違う先生の説明を自分のペースで何度でも見返すことができ、着実な理解(自信)につながります。ただし、どのツールがどの要素に効くかは、ツールそのもので決まるわけではありません。同じアプリでも、使い方によって「A(注意・関心)」にも「C(自信)」にもなります。

 また、ChatGPTのような生成AIは、単に答えを聞くのではなく、「どこでつまずいたんだろう?」「別の説明で教えて」と対話することで、理解を深めたり、自分に合う説明を探したりする壁打ち相手として活用できます。ただし、生成AIを使う場合は、答えをそのまま写すのではなく、保護者の見守りのもとで「考え方を説明してもらう」「別の説明を聞く」など、使い方を決めておくことが大切です。

 こうしたテクノロジーは、子どもに無理やり勉強させるためのものではありません。その子に合った「学びの入口」を探すための、強力な選択肢であり設計ツールなのです。