テクノロジーは
親子の会話を増やすために使う
もう一つ、テクノロジーには大きな役割があります。それは、親子のコミュニケーションを支えることです。例えば、学習ログを記録するアプリを使えば、「今日は2時間勉強した」という結果だけではなく、「算数の図形に時間がかかったね」「理科は昨日よりスムーズだったね」といった会話が生まれます。
学習記録やデータは、子どもを評価(監視)するためではなく、「今日はここまで頑張れたね」「次はこうしてみようか」など対話を生み出すきっかけとして活用してほしい、と根本教授は話します。
「早くやりなさい」と指示する代わりに、子どもに選択肢を委ねてみてください。
・「今日はタイマーを何分に設定する?」
・「記録はノートに書く? それともアプリに入力する?」
・「どこまでやったら、今日の勉強を終わりにしようか?」
こうち・のりこ/高校生の息子と中学受験生の娘を持つ2人の母親。編集プロダクションでのライターを出発点に、インフォバーンやITメディアなど、IT・ビジネス・テクノロジーに特化したオンラインメディアで編集者として勤務。現在はヨガインストラクターとして都内でクラスを提供する、異色の理系ワーママ。
こうした小さな選択を子ども自身に任せることで、「自分で決めた」という感覚が生まれます。それは学習を自分ごとにし、できそうだという見通しを支え、結果として満足感にもつながります。
受験では、勉強時間を管理することが大切です。でも、それ以上に大切なのは、子ども自身が学びに参加しているという実感なのかもしれません。
根本教授が話してくださったように、学びの入口は一つではありません。教科書かもしれません。動画かもしれません。AIとの対話かもしれません。図鑑やゲームかもしれません。
テクノロジーは、子どもを変えるための道具ではありません。その子の「知りたい」「分かった」を引き出し、その子らしい学びの入口を広げるための道具です。
そして一人ひとり異なる学びの入口を見つけるためには、「どんなときに興味を示し、どこで立ち止まるのか」を親がよく観察することが欠かせません。
次回は、「評価」ではなく「観察」をキーワードに、引き続き根本教授のお話しから、子どもの学びを支える親子のコミュニケーションについてご紹介します。
