また、国ごとの留学事情や生の声を聞くことができるのが全国各地で行われる「留学フェア」。各国大使館など公的な機関が主催するものや、民間の留学エージェントが主催するものなどがあるので、親子で会場に足を運んでみるのもいいだろう。日頃から、アニメなど子どもが好きなものを教材にして、楽しみながら英語力を磨いたり、現地の文化に触れておくのもいい。

 では、第一関門である入学試験には、どういった対策が必要なのか。日本の場合は、学力試験の点数で合否を決める一般選抜や、学校長の推薦による学校推薦型選抜、大学が求める学生像に合うかどうかを多角的に評価する総合型選抜などがあるが、海外では試験の方法が大きく異なる。

英語力が足りなくても
合格できるルートがあった!

伊東グローニング七菜

イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン代表。1989年、東京都生まれ。12歳のときに家族で米国シアトルに移住。米国の公立中学・高校に通う。南カリフォルニア大学(USC)卒業。高校、大学在学時にフランス、デンマークなど4カ国への留学を経験。ナイキジャパン、レコテックなどを経て2025年より現職。

「海外大学の入学資格として、講義についていける英語力があるかどうかを評価する『TOEFL iBT(R)』『IELTS』のほか、英語や数学、読解力などから成る『SAT』『ACT』といった学力試験のスコアの提出が必要な大学もあります」

 ただし、出願時にスコアが足りない場合でも、入学前または大学の学部課程と並行して大学付属の語学学校で英語を学ぶことを条件とする「入学保証」や、特定の大学からの仮合格が得られる「条件付き合格」の制度を採用する大学も多い。

 さらに、高校の成績証明書(GPAなど)や教員による英文の推薦状、高校時代の課外活動やボランティアなどの実績の記録、志望理由や自己アピールなど大学が定めるテーマで書く英文エッセイなど、大学が指定する書類をそろえて出願。志願者にインタビュー(面接)を行う大学もある。

「テストの点数だけでは分からない、志願者の意欲や独自の視点など、その人がどういう人かを多角的に見ようとするのが特徴です」

 なお、国や大学によって重視するポイントは異なる。

 海外の大学で学ぶルートとしては、高校卒業後に出願して合格する他に、いくつかの選択肢がある。まず、いったん日本の大学に入学し、在籍したまま提携校に半年から1年ほど留学する「交換留学」や「派遣留学」。多くの大学でプログラムが用意されているので、ホームページなどでチェックしたい。

 日本の大学で1、2年学び、取得した単位を海外の大学に引き継ぎ、編入する方法もある。他に、米国では比較的難易度が低く学費も安いコミュニティーカレッジ(公立の2年制大学)に入学し、そこから4年制大学に編入するルートも。「現地に滞在しながら本格的な講義についていく英語力を身に付けたい」という人向けだ。

 海外留学の経験は「視野を広げ、世界のさまざまな価値観に触れるチャンス」だと伊東氏は言う。

「将来、グローバルな舞台で仕事をしていく際には、意見をぶつけ合いながらソリューションを探していくことが必要になります。そういった思考を磨くためにも、海外での経験は役立ってくれるはずです」