住友グループの名門ガラスメーカー、日本板硝子が深刻な危機にひんしている。約20年前の巨額買収が今も尾を引き、過剰債務や過小資本、低収益の袋小路に入り込んでいるのだ。低収益な中核事業からの撤退を極秘で計画するも先送り。巨額買収が抜本的な構造改革を阻んでいる。社内では外部登用やプロパー、銀行、コンサルティング会社などが入り乱れ、意思決定が鈍り、ガバナンスも機能不全の様相を呈している。ダイヤモンド編集部が入手した内部資料や関係者への取材を基に、複数回にわたって、同社の危機の深層を多面的に明らかにする。