岸 博幸

岸 博幸

経済評論家、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授

きし・ひろゆき/1962年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。同省在籍時にコロンビア大学経営大学院に留学し、MBA取得。資源エネルギー庁長官官房国際資源課などを経て、2001年、小泉純一郎内閣の経済財政政策担当大臣だった竹中平蔵氏の大臣補佐官を務める。経産省退官後、テレビや講演など多方面で活躍。2023年1月に多発性骨髄腫の告知を受ける。著書に『余命10年 多発性骨髄腫になって、やめたこと・始めたこと。』(幻冬舎)、森永卓郎氏との共著『遺言 絶望の日本を生き抜くために』(宝島社)などがある。

第138回
安易な電気料金値上げに走る前に原子力予算・埋蔵金を賠償に回せ
岸 博幸
この大型連休中も、政府内では福島原発事故の被害者に対する損害賠償(補償)のスキームに関する検討が行われていた。政府は連休明けの5月10日の閣議決定を狙うが、やるべきことをやらずに電気料金値上げを急ぐ愚かな姿勢は糾弾されて然るべきだ。
安易な電気料金値上げに走る前に原子力予算・埋蔵金を賠償に回せ
第137回
「脱原発」vs「原発推進」の二元論を超えた東電問題の日本のためになる議論の仕方
岸 博幸
東北の復旧・復興に関する議論では、ゼロから新しい理想の姿を描くべきといった正論がよく聞かれます。しかし、将来の電力供給に関しては、基本的にはこれまでの電力供給体制の継続が暗黙の前提になっています。東京電力をめぐる議論が偏る最大の理由がそこにあります。
「脱原発」vs「原発推進」の二元論を超えた東電問題の日本のためになる議論の仕方
第136回
国民への安易なツケ回しとなる大甘な東電支援策
岸 博幸
東電への政府支援策が、ほぼまとまりつつあるようです。そのポイントは被害者への補償金支払いを支援するための新機構の設立です。しかし現時点で判明している概要からは、東電と金融機関に甘く、国民に安易にツケ回ししようとしているとしか考えられません。
国民への安易なツケ回しとなる大甘な東電支援策
第135回
【福島県南相馬市・現地レポート】原発事故で地元商工業も崩壊の危機に被災地を追い詰める政府の曖昧な対応
岸 博幸
原発事故の補償というと農業や漁業のことばかりですが、地方都市の生活を支えてきた商工業についての議論があまりに少ない気がします。原発事故に苦しむ南相馬市を訪れて、その議論の重要性を痛感しました。
【福島県南相馬市・現地レポート】原発事故で地元商工業も崩壊の危機に被災地を追い詰める政府の曖昧な対応
第134回
政府の焼け太りが始まった
岸 博幸
東日本大震災の被災地の方々が復旧に向けて大変な思いを続け、また福島第一原発がまだ落ち着かない状況であるにもかかわらず、予想されていた良くないことがもう政府内で始まってしまいました。それは、“震災を奇禍とした政府の焼け太り”です。
政府の焼け太りが始まった
第133回
福島第一原発20~30キロ圏内で何が起きているのか自主避難という政府の低劣レトリックで深まる危機
岸 博幸
政府は福島第一原発から20~30キロ圏の住民に対して自主避難を促す一方で、民間企業には行政指導的な圧力をかけて同域内での通常の経済活動を強要しています。法律に基づく命令を出さず、現場に責任とリスクを押し付けるこの中途半端な対応は、混乱を増幅させるだけです。
福島第一原発20~30キロ圏内で何が起きているのか自主避難という政府の低劣レトリックで深まる危機
第132回
大震災と原発事故がもたらす東日本の空洞化懸念と日本経済の運命の分かれ道
岸 博幸
東日本大震災は製造業のグローバル・サプライチェーンに大きな影響を及ぼしていますが、重要なのは、世界の企業は震災からの復興を待ってくれるほど優しくないということです。日本がアジアのローカル経済の一つと落ちぶれるか、東北の復興とともに新たな形での繁栄を築けるかの分かれ道となるかもしれません。
大震災と原発事故がもたらす東日本の空洞化懸念と日本経済の運命の分かれ道
第131回
震災復興に向けた経済運営を考える
岸 博幸
経済運営で最優先すべきは被災地への復興支援です。被災地の人命と生活が何よりも優先されることは当然です。しかし、それに加えて政府は、日本全体の経済運営も考えていかなくてはなりません。その際、二つの制約要因が存在することを意識しなくてはならないと思います。
震災復興に向けた経済運営を考える
第130回
元官僚だから分かる“主婦年金問題”迷走の深層民主党はいかにして担当課長に責任を押し付けたか
岸 博幸
3号主婦年金問題が国会で大きな問題となっています。年金の切り替えを忘れて保険料が未納となっている主婦をどう救済するかという問題も当然重要ですが、この問題での政権の対応を見ていると、民主党の“政治主導”がいかにいい加減なものかが浮かび上がってきます。
元官僚だから分かる“主婦年金問題”迷走の深層民主党はいかにして担当課長に責任を押し付けたか
第129回
なぜ官邸は今、強気なのか?経団連にも伝染した本末転倒の論理
岸 博幸
来年度予算案の年度内成立は確実になったが、予算関連法案の成立のメドは立っていない。本来、こうした状況では内閣の存続が危ぶまれるはずだが、官邸はなぜか強気を増している。そこには、野党批判の噴出を期待する奇妙な論理がある。
なぜ官邸は今、強気なのか?経団連にも伝染した本末転倒の論理
第128回
「ネットの自由」という米国の耳触りのいい言葉にはしゃぎすぎるな~中東・北アフリカ騒乱で考えた
岸 博幸
国家が“ネットの自由”を認めない場合に、反体制派が抵抗するのは自由ですが、それは内政の問題のはずであり、米国が原則論として振りかざすのは内政干渉に他なりません。それにも関わらず米国がなぜ、“インターネットの自由”という踏み込み過ぎた主張をするのでしょうか。
「ネットの自由」という米国の耳触りのいい言葉にはしゃぎすぎるな~中東・北アフリカ騒乱で考えた
第127回
忍び寄る新たなネットバブルの正体ソーシャルの名のもとにあなたが消費されるデジタル植民地時代がやってきた
岸 博幸
今回のネットバブルの本質は、マスコミよりもむしろユーザーその人からローコストなコンテンツを搾取して、そのコンテンツをユーザー間で過剰に共有させるという点にある。米国の識者は、この状況を指して「デジタル植民地主義」と呼ぶが、その真意とは?
忍び寄る新たなネットバブルの正体ソーシャルの名のもとにあなたが消費されるデジタル植民地時代がやってきた
第126回
エジプト騒乱は「フェイスブック革命」ではない体制側の抑圧行為にも貢献するネットの二面性
岸 博幸
エジプト騒乱を指して、ツイッター革命、フェイスブック革命だと叫ぶ人が多いことに驚かされます。ちなみに、2009年のイランでの動乱の際もツイッター革命と言われました。結論から言えば、その認識は間違っています。
エジプト騒乱は「フェイスブック革命」ではない体制側の抑圧行為にも貢献するネットの二面性
第125回
悪い増税と良い増税――政策の順番を間違えたときの恐ろしい結末
岸 博幸
前回は、“財政再建=消費税増税”ではなく、“財政再建=増税+増収+歳出削減”が正しいことを説明しました。今週はその延長で、増税には“良い増税”と“悪い増税”の二種類があることを説明したいと思います。
悪い増税と良い増税――政策の順番を間違えたときの恐ろしい結末
第124回
財政再建=消費税増税ではない
岸 博幸
菅政権の消費税増税キャンペーンがいよいよ本格化している。政府が出す情報は増税に向けた機運の醸成を狙ったものばかり。一部の新聞もそれに乗ってしまっている感がある。そうしたキャンペーンに惑わされないよう、今回は基礎的なおさらいをしたい。
財政再建=消費税増税ではない
第123回
与謝野氏入閣で日本は「最小不幸社会」ではなく「最小不幸財政・最大不幸経済」に向かう
岸 博幸
昨年の就任会見で、目指すべきは「最小不幸社会」だと述べた菅首相。しかし今回の内閣改造を見る限り、実際に目指しているのは「最小不幸財政と最大不幸経済」としか思えない。与謝野氏入閣は、民主党の国民に対する背信行為ではないか。
与謝野氏入閣で日本は「最小不幸社会」ではなく「最小不幸財政・最大不幸経済」に向かう
第122回
「政治不在」ここに極まれり!NHK会長人事迷走を招いた元凶は誰か
岸 博幸
NHKの会長人事が大揺れに揺れています。一義的な責任は経営委員会にありますが、同時に民主党政権の責任も重いことを忘れてはいけません。この一事をもってしても、民主党の政権担当能力に疑問を感じざるを得ません。
「政治不在」ここに極まれり!NHK会長人事迷走を招いた元凶は誰か
第121回
ネットユーザーとマスメディアが肝に銘ずべきグルーポン“スカスカおせち”騒動の真の教訓
岸 博幸
正月早々、ネット上ではグルーポンの“スカスカおせち”を巡って大騒ぎになりました。この問題にはいろいろな論点が存在しますが、個人的には、ネットの闇の深さとマスメディアの無力さが浮き彫りになったように思います。
ネットユーザーとマスメディアが肝に銘ずべきグルーポン“スカスカおせち”騒動の真の教訓
第120回
鉄建機構1.2兆円国庫返納の実態は国交省と族議員の勝利だ~基礎年金財源問題に見る政治と行政のモラル崩壊
岸 博幸
11年度予算の焦点となっている基礎年金の50%国庫負担を維持するため、国交省所管の独立行政法人の利益剰余金から1.2兆円の国庫返納を受けることが決まった。この決定自体は評価できるが、問題はその見返りとして行われた“ある取引”だ。
鉄建機構1.2兆円国庫返納の実態は国交省と族議員の勝利だ~基礎年金財源問題に見る政治と行政のモラル崩壊
第119回
法人税5%引き下げだけじゃない!諫早湾堤防開門を事実上決めた菅政権のリーダーシップという名のもとの暴走
岸 博幸
菅首相が、支持率回復を目指してか、自分で決断する場面を増やして“リーダーシップ”を濫発しています。しかし、政策議論が欠如したリーダーシップほど厄介なものはありません。法人税減税と諫早湾堤防の開門を例に、考えてみましょう。
法人税5%引き下げだけじゃない!諫早湾堤防開門を事実上決めた菅政権のリーダーシップという名のもとの暴走
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