
田中 均
第8回
黒船来航や日米安保条約など、過去の日本の戦略転換は、米国と中国との関係性の中で起きた。そして今、台頭する中国を視野に入れた「第三の戦略転換」が求められている。アジア回帰の米国と連携しながら、いかに中国と相対するべきか。

第7回
金正恩体制が発足して間もない北朝鮮は、衛星打ち上げと称してミサイルを発射し、失敗した。今後の彼らの出方には、3つのシナリオが考えられる。国際社会はどのように対処すべきか。問題は、日本が「覚悟」を持てるか否かだ。

第6回
北方領土問題を考えるたびに思うのは、日本の戦略的思考のなさである。4島が日本の固有の領土であることはいささかの疑いもないが、外交の基本はウィンウィンの関係だ。プーチン再登板を機に、日本は北方領土問題を進展させられるか。

第5回
日米間で重要な協議が始まった。在日米軍再編ロードマップの調整と、TPPを巡る日米事前協議だ。これらの協議の行方は、まさに日本の国益を左右する。個別分野に目を奪われずに、東アジア全体を見据えた戦略が必要となる。

第4回
明年の国際関係はどう動くだろうか。世界が大きく変動しているだけでなく、明年は多くの国で大統領選挙や指導者の交替が予想されているだけに、情勢は流動的で、なかなか予測が難しい。日本は国際社会で、どのように振る舞うべきか。

第3回
野田政権発足後も、政治の戦略機能の低下は止まらない。それは、「脱官僚」思考が継承されているからだ。世界を見渡せば、政治家と官僚の関係は、形は違えど官僚を活用するという点で一致している。かけ声だけの政治主導はいかに危ういことか。

第2回
昨今の世界の構造変化は、中国を筆頭とした新興国の台頭によってもたらされている。従来、先進国が行なってきた「封じ込め政策」ではなく、共に信頼を醸成していくためには、「高質化政策」ともいうべき概念に基づく対応が必要だろう。

第1回
世界の外交・安全保障体制は、「新たな秩序」への過渡期にさしかかっている。この10年間で、9.11、欧州危機、大震災など西側先進国の足もとを揺るがす事件が起きているが、それは偶然の一致とは言い切れない。世界はどこへ向かっているのか。
