
田中 均
第5回
2014年を予想する上で、ポイントは何か。経営者、識者の方々に、14年を読み解くための5つののポイントを挙げてもらった。第5回は、田中均 ・日本総研国際戦略研究所理事長に、風雲急を告げる国際情勢について見通しを教えてもらった。

第27回
現在の国際関係の最大の課題は、中国とどう向き合うかだ。防空識別圏設定、張成沢氏処刑に見る北朝鮮の情勢不安化の影響などにより、今後中国はますます先鋭化していく可能性が高い。対中政策に温度差がある日米はどう対処すべきか。

第26回
11月初旬のイランと安保理常任理事国の交渉は、合意できずに終わった。イランの核問題は、1つ間違えば中東を再び戦火にさらす深刻なものだ。交渉の背景には、複雑な各国の思惑が錯綜し、現在世界が抱えるいくつもの課題も見えてくる。

第25回
この20年をとってみれば、幸いにして東アジアは世界を揺るがすような危機を経験してこなかった。しかし、成長著しいアジアでの危機は、今や「世界の危機」へと発展しかねない。変化を続ける中国や北朝鮮のリスクを、改めて考えよう。

第24回
後世の人々は、今日のシリア問題が世界の構造変化につながる節目であったと見るのではなかろうか。軍事力の行使を視野に入れる米国の力の信頼性は、今や揺らいでいる。米国の抑止力に依存する日本は、どんな外交方針を持つべきか。

第23回
富国強兵のため外を向いた明治時代、外圧を受け国際貢献に迫られた1980年代に続き、足もとの日本には経済のグローバル化に伴い、「第三の国際化」のうねりが訪れている。このうねりの中で日本が生き残るためには、どんな意識が必要だろうか。

第22回
近年、いずれの国においても高揚するナショナリズムを背景に勢いを増すポピュリズムが、外交に大きな影響を及ぼす。外交は現実を踏まえて冷静で緻密な国益計算の上に成り立つべきものだ。はたしてポピュリズムを乗り越えることができるか。

第21回
先日行われた米中首脳会談は、国際関係の新しい時代を象徴している。世界にとって、今や最も重要な二国間関係は米中関係であると映っているだろう。こうした状況のなか、日本は中国に目を向けながらどんな戦略的枠組みづくりを考えるべきか。

第20回
安倍内閣における歴史問題についての発言、憲法改正議論の盛り上がり、飯島内閣官房参与の訪朝に加え、橋下徹大阪市長の従軍慰安婦問題発言など、最近日本の対外関係に大きな影響を与え得る公人の言動が目立つ。そのリスクを考えたい。

第19回
TPPの日米事前協議が終了し、日米合意が発表された。ようやく1つのステップが進んだが、今後のプロセスも多難だろう。今回の合意について議論する意味はあまりない。それよりも、TPP問題の本質を理解するための議論が必要だ。

第18回
先日、ベルリンで開催された三極委員会総会に出席した。現在、世界は新しい秩序を求めて過渡期にある。今後、三極委員会の存在意義をどこに見出すべきか。そして、米国、欧州、日本の役割をどう捉えるべきか。筆者なりに課題を検証したい。

第17回
ミサイル実験に続く北朝鮮の3回目の核実験により、朝鮮半島情勢は著しく緊迫化していくのは避けられず、細心の注意が必要である。北朝鮮は、どのようなメッセージを送ることを意図しているのか。そして、国際社会は覚悟を持てるだろうか。

第16回
今日、政治家や官僚、ジャーナリストや企業人を含め、プロフェッショナルとしての信念に欠けた人々が多くないか。外交官時代に勤務した英国が持っていたプロフェッショナリズムを思い起こし、日本再生のための人材育成を考えたい。

第15回
尖閣・北方領土問題、普天間基地移設問題、TPPなど外交懸案は山積みだ。外国に出張するたびに、日本の存在が希薄となっていることを思い知らされる。安倍新政権の発足に際し、停滞した外交を打開するために5つの注文をしたい。

第14回
米国、日本、中国で同時期に新体制が発足し、各国の対外政策の変化と相まって、東アジアは歴史的転換点にさしかかった。米中日関係はどうなるのか。総選挙後の日本のリーダーたちは、どんなイニシアティブをとるべきか。

第13回
外交官の経験から筆者が導き出したのが、情報の収集、分析、評価を要とする「ICBM戦略論」だ。これを尖閣問題で揺れる日中関係に当てはめ、今後の外交のあり方を考えてみたい。日本の対応は場当たり的になってはいけない。

第12回
先日、英国ディッチレーで東アジアの政治安保を論じる国際会議に参加した。日中の対立が深刻化するなか、参加者が日本に対して抱く懸念は、社会の右傾化と政治主導による外交の弱さだった。日中関係を建て直すため、何を心得るべきか。

第11回
李明博大統領が、韓国の国家元首として初めて竹島を訪問した。これを機に日韓関係が停滞しかねないことを残念に思う。背景には、従軍慰安婦問題をはじめ、歴史認識への理解不足もある。日韓関係を建て直すにはどうしたらいいか。

第10回
尖閣諸島の購入を巡る議論が活発化している。それに対して、中国ばかりか台湾までもが強硬姿勢を示し始めた。尖閣問題は、ハンドリングを間違えば安全保障体制の根幹を揺るがしかねない。日本がとるべき「外交上の手立て」とは何か。

第9回
再選挙が行なわれたギリシャの状況は、国民感情に左右されやすい日本政府の姿に通じるものがある。北方領土、普天間、北朝鮮、尖閣諸島など、未解決な重要外交案件を積み重ねる日本は、そろそろ「国民感情の罠」から脱するべきだ。
